剱岳登頂の旅【海抜0メートルから2,999メートルへ】 - 童心週記
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剱岳登頂の旅【海抜0メートルから2,999メートルへ】

剱岳
08 /26 2012
剱は熱いうちに打て!!
 8月も終盤に差し掛かった、26日(日)
 この週は、週間天気も晴れ続きで、当日の天気も良いという絶好の登山日和でした。

 気持ちも気温も高まっているうちに、以前より計画していた上市町馬場島を出発点とする、『早月尾根』ルートを利用して、日帰りでの『剱岳』自力登山を行ってきました。



 今回のルート。
 まさに海から一直線に、剱岳山頂をめざす過酷なルートです。

 同じ富山県に存在する名峰である、『立山』と『剱岳』ですが、県民にとってもそのイメージはかなり異なります。立山に登ったことのある県民は多いでしょうが、剱岳に登った県民はそうはいないはずです。
 
 両者に対するイメージとしては
 
 A:『昨日立山に登ってきたんだ』
 B:『へ~すごいねぇ→』(感心)
でありますが、
 A:『昨日剱岳に登ってきたんだ』
 B:『へ~すごいねぇ↑』(感嘆)
と、言ったところでしょうか。
 
 さて、海から登山道入り口の馬場島まではおよそ30キロ弱。標高760メートル程度ですが、自転車を降りて以降の登山道は、8.3キロの道のりで標高2,200メートル以上を登らねばならず、かなりの労苦を予想させます。
前回の立山登山に比べれば、全体的に一回り短い行程ですが、その道のりやいかに?
 
 それではかなりの長文になりますが、スタートです。

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【3時15分】
 寝坊をしてしまい、予定の時間より30分ほど遅れてしまいましたが、いつもの通り滑川漁港側の、道の駅ウェーブパーク滑川の堤防に到着です。
 この夜の気温は25℃ですが、空気は少々蒸し暑い感触の肌触りです。
 もう8月終盤になりましたが結構気温の高い夜と言えます。
  
 さあ時間は有りません。速やかに出発します。


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【4時25分】
 滑川市からすでに上市町に入っており、伊折橋を渡りました。この時点で馬場島までは残り8キロ程度です。
 
 出発してからおよそ20キロ走り続けていますが、10キロ地点程の、滑川市の『みのわ温泉』付近を通り過ぎてしまえば、完全に人気は無くなります。
 
 ・・・やっぱり怖すぎる。

 一応この道のりは、かつて集落が有ったころの名残が有るために、ときたま街灯が有ったりしますが、小一時間近く殆ど真っ暗闇の中を走り続けています。
 まあ、称名滝へ至るまでの、国立公園立山の道のりよりはちょっとだけましといったところでしょうか・・・
 もうこれでもかと、ラジオと鈴を鳴らしまくります。


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【4時45分】
 次第に夜も明け始めて空が白みだしたころに見事な『剱岳』のシルエットが浮かび上がりました。
 綺麗だ・・・

 今からそこまで行って見せるからな、待っててくれ!
 などと、明るくなってきたので気分も高揚して強気になります(笑)


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【5時】
 ついに馬場島に到着です。
 先日の『馬場島サイクリング』の際には雲に隠れて見ることが出来なかった、早月尾根から剱岳山頂に至るまでの稜線が浮かび上がっていました。

 また、登山者用の駐車場には沢山の県内、県外ナンバーの車が停まっており、この日に剱岳登山を楽しんでいる人々の多さがうかがい知れます。


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 『試練と憧れ』の石碑前で到着を記念して撮影。
 そうこうしている間にも、続々と登山道へと人々が入っていきます。やはり今日は私のみならず、誰しもが絶好の登山日和と考える日なのでしょうね。


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【5時40分】
 近くの広場に植えてある木に自転車をデポして、さっさと登山モードに着替えて登り始めます。
 見上げるような登山道ですが、足のみで登れるこの序盤はどうということはありません。

 今後標高があがるにつれて、木の根を掴み、石を掴み泥にまみれて登らねばなりません。
 そして、いざ森林限界を過ぎれば、岩にしがみつき、鎖につかまり登っていくという、さらに過酷な道のりが待っているのでした。


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 出だしの登山道。
 木の根が階段状になっていて登り易い道のりです。また、多くの土嚢が登山道に敷き詰められており滑りにくく非常に歩きやすい区間です。1,000メートル程度までの区間は、平らな部分も多くちょっと急なハイキングコースといった感じです。


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【6時】
1,000メートルに到着です。


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 1,000メートル地点にある、松尾平は『平』と言いながらも小さな広場といった程度ですが、ベンチなどもあり小休止が出来ます。
 しかし、先を急ぐわが身はノンストップで進みます。


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 1200メートル付近で、多くの人々がブログなどに納めている、巨大な『立山杉』の姿を目にします。
 改めて間近で見てみるとなかなかの迫力が有ります。
 長年の雪の重みで変形してしまった、その異様かつ巨大な姿はまるで、山の精霊のようにも見えます。

以後、
【6時30分】
1,200メートル
【7時】
1,400メートル
【7時20分】
1,600メートル
と、順調に高度を稼ぎます。
 

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【7時45分】
1,800メートルに到着


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 この辺りまで登ると、登山道の姿は入り口付近とはかなり様相が変わっており、大きな石も目立ち始め、急登に加えて、木の根や石につかまって登る場面が多くなります。
 

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 また、次第に景色も変わって見晴らしも良くなりつつあります。
 後ろを振り返れば、ここまでの早月川に沿って走ってきた道のりが一望できました。

 霞がかかっており、日本海や、平野部の街並みははっきりとは見えませんが、山々の奥深くまで入り込んできたことがよくわかります。


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 下には、馬場島の姿が。
 登山道入り口から、約1,000メートルの標高を稼ぎました。もう馬場島荘は、あんなに小さくなっています。


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【8時20分】
2,000メートル
 早月小屋まで、あと1キロの表示。


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 早月尾根ルートでは唯一の池塘ですね。アルペンルートの弥陀ヶ原などの物とは異なり、淀んでいて汚いです・・・


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 また、この辺りから縄場も多くみられるようになって、ますます過酷さに磨きがかかってきます。
 ですがここを登り切れば、早月小屋にたどりつきます。もう一息です。


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  眼下に『早月小屋』の姿に加えて、正面には一層近づいた剱岳の姿が見えます。
 しかしまだ、正面にはまだまだ巨大な尾根の姿が・・・あれも乗り越えないといけないのか・・・


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 しかし、この早月小屋からの展望はなかなかのものです。
 今まで木々の中を這いずり回っていただけに、その解放感は抜群のものが有ります。
 
 これは、雄山・大汝山方面。


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 そして、大日岳・奥大日岳方面。

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 そして逆側にある山。方角的には、赤ハゲ山、白ハゲ山、池ノ平山と思われます。


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【9時】
 『早月小屋』に到着。なかなか趣のある佇まいです。

 出発からおよそ3時間半弱。計画よりも早いペースで登ってくることが出来ました。
 正面のベンチで休憩&ランチパックを食べたりと小休止します。


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 そして公衆トイレ。トイレの中は、鼻の奥にツンとくる懐かしい香りがします(笑)


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 テント広場には、いくつものテントが立てられていました。
 前泊して、早朝日の出に向けて、頂上を目指した人々のテントでしょう。そういう登山も面白そうだなぁ。
 皆さん一人用のスタイリッシュでコンパクトなテントを建てています。いいなぁ・・・


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【9時20分】
 休憩を終え、出発します。

 早月小屋そばの、2,200メートルの標識。
 また、ここから頂上まで残り2.9キロもあります。長いなぁ。

 この標識は、標高200メートルごとに設置されていますが、ここからの200メートルはこれまでの道のり以上の距離と、勾配が有るという、さらに過酷な登山道なのでした。


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 斜面にむき出しの岩にしがみついて登る登山道。


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 そんな中でふと斜面に目をやると、これは『コゴミ』か?それともただの草?
 こんな夏なのにやはり高地は季節の訪れが遅れるのかもしれませんね。


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 さらに登ると、回りの木々も低くなり始め、いよいよ展望が開けてきてきます。


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【9時50分】
2,400メートル


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 稜線に出ました。
 この辺からは、アブやブヨがウヨウヨしているうっそうとした森林の中ではなく、開放的な風景を眺めながら歩くことが出来るため、気分的にいささか楽になります。
 

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 そして、頂上までの道のりが具体的に見え始めてきました。
 あの尾根を伝っていけば、目指す頂上へたどり着くのです。


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 しかし、この時間帯から雲が下のほうからまさに、モクモクと登ってくるのが目に見えました。本当に煙のように登ってきます。
 山側は雲に包まれてはいませんが、背後の平野部を振り返ってみると見事な『雲海』が広がっていました。

 地上の景色が見られないのは残念ですが、これはこれで見ごたえがあります。


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 そして、雲より上の山の景色は、一部雲がかすめたことにより、より幽玄さを増して一層に幻想的な美しさを醸し出すようになりました。


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 そして、ひとたび太陽が指せば美しい緑と茶色と、荒々しい稜線のコラボが楽しめます。
 綺麗だなぁ・・・


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【10時25分】
2,600メートル


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 登山道上にまだ雪の残る雪渓のルートを通ります。
 しかし私は、前回の立山登頂の際と同様にトレランシューズで登っており、雪上のグリップ力に不安があったため、雪を避けて上部の土の部分を通ることとしました。


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 なぜなら、尾根の遥か上部の稜線上に登山道が走っており、その登山道を一歩外れればこの急斜面を転げ落ちることになるわけです。それは避けたいものです。
 

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 後ろを見れば、多くの山々よりはるか上部にまで達していることが分かるようになりました。
 雲から顔を出している、低山達の頂が見下ろせます。


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【11時10分】
 ついに標高2,800メートルに到達しました。
 いよいよ残る道のりは頂上へ至る道のみとなりました。


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 いよいよ頂上へ向けて出発です。
 もう周りの大地のほとんどは『岩』となり、見上げる頂上部の刺々しさがハッキリと見て取れるようになりました。
 さらにこの先は鎖場が連続する荒々しい道のりです。疲労した体に気合を入れなおして先へと進みます。


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 最初の『鎖場』に到着しました。
 ここに来るまでは、鎖場とはどんなところなのだろうと想像をめぐらせていましたが、思っていた以上に足場も岩の手がかりもしっかりしていて、鎖をサポートにして進めば、むしろかなり楽に進むことが出来るといった感触を得ました。

 ちなみに、もちろん一枚岩で足場のない所や、足場はあれど、手がかりの少ない場所などにも鎖が張ってあり、鎖なしでは危険なのは間違いありませんが、『ド素人は剱に来るな』というような過激な危険度や、過度な恐怖感も感じませんでした。落ち着いてしっかり進めば大丈夫な道のりです。
 
 ここに来るまでに力を使い果たしてしまうような人は危ないでしょうが、そもそもそんな人は山自体登らないでしょうしね。
 

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 鎖は太い頑丈なステンレス製で、しっかりと岩に打ちこまれており全体重をかけて掴まっても安心できます。


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 三回目の鎖場。人が対岸で待ってくれていますさっさと行きましょう。
 

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 ここは一部足場のない場所に、一風変わって足場としてボルトが打ちこんであります。


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 足場の上から見るとこんな感じです。ボルトが打ちこんであるおかげで実に楽に岩場を渡ることが出来ます。
 どうやって作業されたのかわかりませんが、その労苦に感謝ですね。


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 その後もいくつもの鎖場を越えて、頂上を目指すこととなります。
 ワクワクして気分が高揚しているためか疲れも忘れて、ここまでの道のりとは比べ物にならないほど体がよく動き、気分よく登ることが出来ました。
 
 もうここからでも、頂上付近に立てられている、案内看板のシルエットがかすかに見てとれます。


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 また、刺々しい岩場だらけの道のりにも、このような可愛らしい花や、白や黄色の小さな花々が所々に咲いており、はやる気持ちを穏やかにしてくれます。


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 下方に『一服剱』の姿が見えます。
 さらに、別山方面のはるか下方には『剱沢小屋』の姿が見えます。今日はあそこから登ってきて頂上に立ち、下山中に私と早月尾根ですれ違った人も数多く居られたことでしょう。
 さらに奥には『剱沢キャンプ場』に点在するテントの姿や、さらにはうっすらと雲がかかった『別山』の姿も見ることが出来ます。


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 最後の鎖場!!これを登ればもう頂上は目前!!
 

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 最後の鎖場を登り切った先には、これまで切り立った岩場にさえぎられていた視界が空に向かって解放されていました。
 もうあとは、両手両足を使って先へ進むだけとなります。


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 なお、頂上までの道のりにはいくつもの案内看板が存在していました。
 
 岩に打ちつけられた、早月尾根ルートを示す木版。


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 朽ちかけた木彫りの立札。
 木彫りの文字の為か、色はすっかり抜け落ちていますが、どちらもちゃんと読むことが出来、視界が失われた際にも役に立ちそうです。


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 なお、立札のもう一方は、別山尾根方面を指し示しています。有名なカニのヨコバイ、タテバイのある方面ですね。いつかそちらのルートも通ってみたいものです。
 また、この位置からは『前剱』も見えるようになりました。


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 そして、かなり下からも見ることが出来た、最も大きな立て看板。しかし、こちらは完全に字が消えており地図と合わせなければどこを指しているのかはわからない状態です。


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 いよいよ頂上の祠が見えてきました。ようやくだ・・・


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【12時】
 ついに登頂成功!!
 海岸を出発してからおよそ9時間。馬場島から6時間半。
 
 何度も息を切らして下を向きながら、ついに海抜0メートルから、標高2,999メートル『剱岳』の頂上にたどり着きました。
 やったぞ~
  
 と、実際には叫んではいませんが、心の中で快哉を上げていました。

 なお、残念ながらこの時間にはかなり雲が多くなっており、あまり遠くの山々や、景色を楽しむことは出来ませんでした。
 しかし、私にとっては近間の景色だけでも十分に感動的でした。


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 雄山、大汝山方面。
 これははっきりとよく見えます。つい先月あの辺りまで登ったんだなぁ~と思うと感慨深いです。


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 そして、切り立った八ケ峰方面と、後立山連峰達。
 ものすごく切り立った稜線です。流石にこれはチャレンジしてみようとはちょっと思えないですね・・・
 とても生きては帰れなさそうです。
 剱岳の真の過酷さを語る場合は、このようなルートのことを言うのかもしれません。

 もうしばらく待っていれば、雲が流れて展望が開けるかもしれませんが、帰りの時間を考えるとそうそうのんびりしていることは出来ません。早々に帰り支度を行います。


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 さて、下山に備えて頂上でささやかに栄養補給です。
 ランチパックの包装紙は、気圧の関係でパンパンに膨れています。


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【12時20分】
 少々の休憩の後、下山開始です。
 わずかの時間でしたが、ガレた山頂付近に別れを告げて出立します。

 しかし、無事に帰ってこその挑戦達成。気合を入れ直して帰途につきます。
 
 なお、帰り道は、すれ違う人も少なく寂しい道のりの上、ここまでの足の酷使により膝がガクガクになって踏ん張りがきかない状態で進まなければならないなど、登り以上に気を使い、かつ過酷な道のりであったのでした。



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【14時40分】
 なんとか、早月小屋にたどり着きます。
 午前中にあった数々のテントはすっかり引き上げられています。
 
 それにしても膝が痛い・・・
 しかも3.5リットルも用意していた水が底を尽きかけており、早月小屋で2リットル800円のミネラルウォーターを追加で購入して、以後の下山に備えました。

 もともと、水の消費は多いほうですが、まさか3.5リットルが無くなるとは・・・天気が良くて、暑かったからなぁ。


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 以後は、完全に雲の中。午前中の快晴はウソのようです。
 ジメジメじっとり。
 
 登頂を目指す高揚感も無く、痛む膝をだましだまし使い、何度もしりもちを付きつつ、さらには延々とアブやブヨにまとわりつかれ、その度に虫よけスプレーを身体に振りかけ、しかしそれもすぐに汗に流されつつ。。。
 まるで密林を彷徨うゲリラ兵の様に下山を続けたのでした。

 登山が『憧れ』への道のりならば、下山はまさに、『試練』の道のりと言えます。


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 過酷で精神的にも堪える長い長い下山の道のりを終え、ついに早月尾根下山口へと帰着しました。


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【17時45分】
 下山完了。
 やった・・・ついにやってのけた。

 もう言葉にならないほど過酷だったとしか言いようが有りません。
 間違いなく、海抜0メートルからの立山登山のほうがよほど「楽」な道のりです。
 
 また、ちょうど同じころに下山された方も数人かおられ、皆過酷な道のりを終えた満足感に浸っておられました。しかし、当然今日ここまで自転車でやってきた人間は私一人です。
 そそくさと木陰で着替えて、サイクリングモードへと変身します。

 ここで、すべてが終わった気になっている時間はありません。
 まだ、自転車で海岸までの、30キロの道のりが控えているのですから。


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 帰りに改めて、石碑に刻まれた『剱岳の諭』を読み返します。
 自分も少しはこの言葉にふさわしいような登山者で在りえたであろうか?
 

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【18時】
 着替えも、帰り支度も終え剱岳方面を振り返ります。
 今日一日、たっぷりと付き合った剱岳を含む山々は、いまやすっかり雲の中にその姿を隠しています。
 さようなら剱岳。またいつか会いに来るよ。 

 愛車CLX2.0にまたがり帰途につきます。
 帰りは下り基調のために、膝が痛いながらも、だましだまし帰ることが出来るはずです。

 
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【19時20分】
 無事に、ウェーブパーク滑川傍の漁港に帰り着きました。
 長い長い過酷な一日もこれで終わりです。

 立山登山に比べれば、知名度はいまひとつかもしれませんが、日本でも指折りの険しい山である『剱岳』に、これまた北アルプス3大急登に数えられる早月尾根ルートを利用した自力登山の達成を成し遂げることができました。


 さて、かかった時間は・・・

≪往路:8時間45分≫
 滑川(海岸)    3時15分
 早月尾根登山口   5時40分
 早月小屋      9時
 剱岳山頂      12時

~休憩~  

≪復路:7時間≫
 剱岳山頂      12時20分
 早月小屋      14時40分
 早月尾根下山口   17時45分
 滑川(海岸)    19時20分
 
なんと合計15時間45分。

 思ったより、早いと見るべきか、まだまだ鍛え方が足りないというべきか・・・
 しかし、ブログなどで、幾人もの超健脚者の方々が達成しておられる海抜0メートルからの登頂者の一員に加わることが出来て、個人的には大満足です。

 また国立公園立山の様に、通行の際の時間制限等も無く、かつ最も近く、手軽にたどり着ける日本有数の秘境に対して、これほどまでにアクセスしやすい環境の元で生活していたというのは我ながら驚きです。

 実際、立山も剱岳も、遠方からの訪問者の方などは、多少天気が悪くても日程の関係で強行しなくてはならないような場合がほとんどでしょうが、私などは【行こうと思えば何時でも行ける場所】の、ために当日の天気を見てから判断することも十分可能という、恵まれた環境に生活していたということがよくわかります。

 美しくも、厳しい山々。すぐ近くに有りながらも、まだまだたどり着いたことも無い世界が沢山有るということが思い知らされました。
 もっとこの足で、多くの世界を見てみたいものと、改めて思いました。

 大変長くなりましたが、これにて私にとって初の『剱岳自力登山』について終了します。  


それでは今回はこのへんで
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コメント

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まさに冒険!

おめでとうございます↑
まさに男心をくすぐるような冒険を達成されましたね!
森林限界を越え、岩場を超え...
振り返ると「ブルッ」と震えそうな背後の風景、見とれすぎて足元をすくわれそうな…そんな想像をしてしまいます。

汗と泥にまみれての冒険、おめでとうございます↑

Re: まさに冒険!

どうもありがとうございます。
 思えば、まともな登山らしい登山というのは、今回が初めて同然な状態だったのですが、よくもまあホントに実行して、やり遂げたものだと我ながら感心です。
 長い長い登山道。いかに普段舗装された道のりが走り易いのかということも、ひしひしと実感させられました。
 また、奥深い山の中というのは、本当に地上とは異空間のようで不思議な空気が有ります。これがパワースポットという物でしょうか。なにはともあれ無事にやり遂げることが出来て、暑い毎日に天候と日程のチャンスを待って悶々としていた夏の終わりのとても良いリフレッシュとなりました。

試練と憧れ

いやー素晴らしい!
試練と憧れの剱岳、お疲れ様でした。
早月尾根の日帰り登山、しかも海抜ゼロから自転車でアプローチするなんて、ますますパワーアップしてますなぁー
次回のチャレンジが楽しみです!

Re: 試練と憧れ

山賊様
ありがとうございます。一度は登ってみたかった剱岳。まさかこんな登り方をすることになるとは自分でも驚きです。しかしなんとか無事にやり遂げることができて安心と満足しています。
また、想像以上にハードな道のりで参りました。今でも筋肉痛で足が痛いです。
次は何に挑戦しようか思案中です。しかし、真夜中の林道サイクリングさえなければどこだって行って見せるのですが(笑)あれだけは長時間は勘弁ですね。
それではまたお願いいたします。

ところで・・・

行動食は何を携帯してますか?
トレランでの補給食・行動食は重要ですが、
お昼はランチパックだけ?って訳でもないですよね~^^;

Re: ところで・・・

山賊様
大したものは持って行っていないですが、数はけっこう持参してます(笑)
 今回は、ランチパック2袋、カリーメイト4本入りが2箱、あとはゼリー食4個に、塩飴&塩タブレット15個、アミノ酸粉末7袋。
 ドリンク粉末入りの水3.5リットル。小屋で購入2リットルが今回の食糧で、全て食べつくしました。
 
 前回の立山登山の際はプラスでランチパック1袋、ゼリー食1個、カロリーメイト1箱に加えて、ビーフジャーキーも持っていきました。
 
 基本歩きながら、カロリーメイトやゼリーを食べ、定期的に飴や、タブレット、さらに疲れを感じたらアミノ酸粉末を口にしてました。
 今回はものすごい汗をかいたので、小さい鍋と固形燃料でも持って行って、山頂でカップラーメンでも作ればよかったとかなり思いましたね(笑)
 しょっぱいものがとっても恋しくなります。

OKI

大人になった全ての人へ
輝く冒険の日々は誰にでも
そんな思い出日記の徒然書