2017-03

剱岳山頂へ 『早月尾根を全力で進んでみる。』

 今日のニュースは御嶽山の噴火でもちきりでしたね。
 
 さて、本来であれば今日は、来週に迫ったグランフォンド糸魚川のために自転車のトレーニングをしたいところでした。

 しかし何と無く・・・前日にタイヤのチェックをしてみると。

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 なんだこれ?側面がほつれているぞ?

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 裏側から見て見れば見事に貫通・・・
 
 え~。グランフォンド富山の時に新品に替えたばっかりなのに~。

 こんなところが切れるって、アスファルトの車道と歩道の継ぎ目にでも落とし込んだのかな?

 しかし、私の体重が80キロ以上あるせいもあるのでしょうが、PRO4は3に比べても本当に弱いな・・・

 摩耗の寿命まで使えたためしがない。
 いつもあっという間にタイヤの側面に穴が開いて使用不能になります。

 デジタルブルーカラーが、愛車CLXのカラーにぴったりなので、 ずっとプロシリーズを選択していましたが、強度重視のエンデュランスか、他のメーカーにでも変更したほうが良いかもしれないな・・・
 
 しかし、こんなタイヤでトレーニングは出来ません。
 買いに行くにしても、通販でポチるにしても時間が無さすぎです。

 しかしさて、今回のトレーニングはどうしようかな・・・


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 そんなこんなでとりあえず、今日のトレーニングは剱岳。

 私の感触だと、自転車は登山の練習にはならないが、登山は自転車の練習になります。

 自転車のペダルを回すトレーニングは、効率が良すぎ(負荷が無さ過ぎ)て自転車以外に応用がきかないので駄目なんですよね。

 そんなわけで。2年ぶりに早月尾根からの剱岳を往復してくることにしました。

 以前よりもう一度行っておきたいと思っていた剱。

 初めて登ったのは海抜0メートルから。その次はあらくにさんと普通に登りました。

 その際に、早月尾根の道のりについては詳しくレビューしたので置いておいて、今回はコンロも持たず、足もトレランシューズで出来るだけ軽量化して何時間で早月尾根を往復できるのかチャレンジしてみようと思います。


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 天気予報は晴れとのことでしたがどんよりとした雲が早月尾根にかかっています。

 また、この日は絶好の登山シーズンの為か、駐車場はもとより通路に至っても多くの路上駐車が見られます。
 

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 試練と憧れの碑。

 2年ぶりですが、行ってきます。


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【6時40分】
 日帰りで早月尾根を往復するにはかなり遅い時間の出発ですが、朝寝坊してしまいました(笑)

 しかし、この2年間様々な道のりや、それに対応するためのトレーニングを積んで来ました。
 
 年齢もいつしか40目前となってしまいましたが、いったい今の自分はどのくらいの走力が有るのか知っておきたい。

 標準タイムでは
 往路9時間10分
 復路6時間20分

 計15時間半を要するこの道のり。
 この2年間、老化する肉体を叱咤激励しつつトレーニングしてきました。
 出来る限りハイペースで進んでみたいと思います。


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 走り出してしばらく。
  
 ぬかるんだ平地に、木の幹を輪切りにした踏み台が設置されていました。


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 そして、階段もリニューアルされている部分が有りました。
 
 歩きやすくなっています。

 整備してくださる方に感謝ですね。


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 そして、早月尾根の主。

 巨大な立山杉とも再会です。
 
 あなたは今後何100年経とうとも変わらずに登山者を見つめ続けるのでしょうね。。。

 さて、その後は特記事項も無く、黙々と登り続けます。
 
【7時25分】 1,200メートル
【7時45分】 1,400メートル
【7時55分】 1,600メートル
【8時15分】 1,800メートル
【8時45分】 2,000メートル

まずまずのペースです。


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 早月尾根の中継点。

 早月小屋が見えました。
 この高台からの展望もなかなかのものです。


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 ここまで来ると、山頂を見渡すことが出来るようになります。
 
 快晴です。 
 しかし、結局この日はこの早月小屋手前からの眺めまでが最高で、後は雲に包まれた侘しい道のりとなったのでした


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 赤谷、赤ハゲ、白ハゲ方面。


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 猫又山等の、毛勝三山方面。


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 そして立山方面。

 ここまでもうっすらと地獄谷の硫黄の匂いが相変わらず流れてきます。


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 大日、奥大日方面


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 早月川方面

 深い山の緑の中で、川原が白い一筋の道を作っています。


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【9時10分】
 早月小屋前

 秋の登山シーズンの為か、テント場にもいくつものテントが立てられています。

 その後は

【9時45分】 2,400メートル
【10時10分】 2,600メートル
【10時50分】 2,800メートル

 へ、歩を進めます。

 改めて思うと、早月尾根は登りは急登、下りは急降が続きますが、登り返しと言ったものが殆どないので、ある意味進みやすい道のりとも言えますね。


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 2,800メートル付近で雷鳥を発見。

 子供連れでした。

 早月尾根で雷鳥を見れたのは初めてです。


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 そして鎖場へ。
 
 改めて思うと、剱岳の終盤って、結構怖いんですね・・・

 過去2回は勢いが有ったのであまり感じませんでしたが、改めて、純粋に登ってみようと思いやってくると中々の場所です。


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 それでも何とか鎖場を終えて、山頂へと近づきます。

 深い青の空に交じって、特徴的な矢印看板が見えてきました。
 

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 山頂の祠が見えてきました。 

 どうやら落雷で損傷した祠は、当の昔に復旧されていたようです。


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【11時30分】
 登山口より4時間50分。
 
 ようやく山頂へたどり着きました。

 そして標準タイムの9時間を大きく下回ることが出来ました。
 時間を短縮できたこともさることながら、寝坊したので心配していましたが、これで暗くならないうちに下山することが出来る(笑)

 山頂には既に20人以上の登山者たちが休憩をしていました。
 みんな剱沢にでも下って、縦走を続けるのかな?羨ましい・・・


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【11時40分】
 私は軽くランチパックや、おにぎりを食べた後、大急ぎで下山を開始します。
 
 今回、剱岳の山頂は青空のもとで、私を待ち構えていてくれました。
 
 しかし、山頂からの展望は雲に覆われて360度雲以外全く無く残念な日でした。

 この前白馬方面から剱岳を見たので、今回は改めて剱岳から見た白馬方面を確認したいと思っていたのですが、かないませんでしたね。

 今日の天気予報は相当良い天気だと聞いていたので期待していたのだけれどな・・・

  
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 なお今年の大雨で、標高2,600メートル過ぎの登山道は崩壊していました。

 仮復旧がしてありますが、中々にスリリングな道程となっています。


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【13時30分】
 早月小屋へ到着。
 
 下りは登りに比べて早いかと思いきや、足の負担はむしろ下りの方が大きく、さほどタイムは変わりません。


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 トイレを済ませて、再び下山を開始します。
 
 朝に比べて、テントの数は倍増し、正面の広場でくつろいでいる人の数は数十人単位になっていました。
 今日の早月小屋は大混雑なのかもしれませんね。


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【15時40分】
 長い長い、気の遠くなるような下りの道程を進み、登山口へ帰り着きました。

 登りは楽しいんですけれど、本当にこの早月尾根の下りは長くて地獄です。

 こちらも、コースタイム6時間に大して、4時間で帰り着くことに成功しました、

 今回のタイムは。
≪往路:4時間50分≫
 早月尾根登山口  6時40分
 早月小屋着     9時10分
 剱岳山頂      11時30分

~休憩~  『10分(笑)』  

≪復路:4時間≫
 剱岳山頂      11時40分
 早月小屋      13時30分
 早月尾根下山口  15時40分

合計8時間50分

 当初は寝坊もし、スタートも遅く、帰りは夕方を過ぎ薄暗くなった登山道を、ヘッデンを付けて下らなければならないのかと思いましたが、無事に明るいうちに下山することが出来ました。

 往復にかかった時間は8時間50分。
 おおよそ9時間で、早月尾根を往復してくることが出来ました。

 最初に登った時は自転車と組み合わせたチャレンジのため、とても参考には出来ませんが、2回目に登った時は往復で11時間40分(休憩1時間込み)を要しており、少しばかり歩みが早くなっていることが伺えます。

 ろくに休憩もせずに、ただ急いで何が楽しいのかと言われればそれまでですが、取り合えず体力は低下しておらず向上の芽が見られた事に安心して帰路へと着いたのでした。


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 その後は満車の駐車場を下り、車を止めていた中山登山道付近の剱岳の碑まで徒歩で下ります。

 久しぶりの剱岳。
 できれば毎年行きたいと思っていましたが昨年はかなわず、今年もシーズン終盤となってようやく3度目の山頂へ趣くことが出来ました。

 雲により、周囲の展望が無かったのは残念でしたが、私の住む地域から、もっとも身近で訪れやすい名峰たる『剱岳』。

 少し山を齧ると数をこなしたくなって、ついつい他の山ばかりにうつつを抜かしてしまいますが、出来ればこれからも定期的に登っておきたいと思います。
 しかし、頑張り過ぎて少し疲れました。

 
 それでは今回はこのへんで
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テーマ:山登り - ジャンル:趣味・実用

剱岳登頂の旅【第2回、早月尾根日帰り登山】

 9月22日(土)
 本日はそこそこの秋晴れの中、自転車仲間のあらくにさんと共に、剱岳登頂を実施してきました。
 
 私にとっては先月の『海抜0メートルからの剱岳登頂チャレンジ』以来の、2度目の剱岳となります。

 ちょっと間隔が近すぎな気もしましたが、どんな場所でも1回目はあまり余裕もなく、一度には多くの事柄は理解できないものです。
 そのため、滅多に行けない(行こうとする気にならない)場所であるからこそ、記憶の新しいうちにもう一度よく観察しておけば、よりよくその場所について理解することが出来るはずです。

 ついでに今日は前回の記事通り、山頂でカップラーメンを食べるという大事な目標もあります。気合を入れて登山に向かったのでした。


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【5時40分】
 馬場島に到着後、登山口近くの駐車場は秋のシーズンの為か満車であったため、数百メートル下の登山者用駐車場に車を停めて、剱岳登山口へと10分ほど、舗装路を登ります。
 右手には富山県警馬場島派出所と、馬場島荘。
 そして正面には剱岳と、その行く手に立ちはだかる巨大な早月尾根の姿。またあそこを登るのか・・・

 また天気予報では、今日は下界は28℃まで上がるとのことでしたが、標高760メートル馬場島の、9月後半の気温はさすがに涼しく、もしかして今日の山頂は寒いのかな?といった不安にかられます。
 
 
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【5時50分】
 登山口手前、試練と憧れの石碑の前に到着。

 前回は自転車を利用して馬場島に入ったこともあり、荷物の増加や、急登が多い早月尾根で邪魔になるのを嫌って持って行かなかったストックですが、今回はしっかり持参しました。
 
 今回改めてストックを持って行ってみて、これが有るのと無いのとでは足に対する負担と疲労がまるで異なることがよくよくわかりました。

 さらには今回は、いつものトレランシューズではなく、足首までのトレッキングシューズで挑むため、前回よりはかなり楽に行けるのでは?といった淡い期待も持っていました。
 そして見事に打ち砕かれましたが・・・
 
 それではスタートです。


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【6時15分】
1000メートル地点の松尾平に到着。


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 秋になって太陽が低くなった為、山々にさえぎられていまだ登り切ってきませんが、雲も薄く、青空が見られます。北方稜線から風に流された薄雲達の流れる景色が美しい・・・


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 標高1,200メートル手前の立山杉の主。今日は反対側の登り側から撮ってみました。
 とても大きなウロが開いていて、なんだか熊とかが隠れていそうで少し恐ろしい・・・


以後は順調に登り続けます。

【6時45分】
1,200メートル

【7時10分】
1,400メート

【7時20分】
1,600メートル

【7時50分】
1,800メートル

 登っているときは無限かと思うほど、長く感じる辛い時間ですが、実際は200メートル登るのに20分ちょっとしかかかっていないんですよね・・・

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 そして、標高1,800付近で見つけた【木苺】
 
 収穫の秋ですね。赤々としてとってもおいしそうです。そのほかにも、所々の木に赤い丸い木の実や、登山道付近の地面にはキノコや、有名なベニテングダケなども生えていたりして、実りの季節を実感させられます。


【8時25分】
2,000メートル
 やはり、1,800メートルから2,000メートルまでの区間は道が険しいだけあって結構時間がかかっていますね。


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 さて、早月小屋まであと少しのところで、早月尾根ルート唯一の池塘があります。
 
 前回。夏に訪れたときはボウフラの卵のような物が沢山浮いているように見えるだけの汚い水だったのですが、今回は何やら変わったものが・・・

 なんだこれは?オタマジャクシ??体長数センチの黒い生き物が小さな池塘の中にウヨウヨしています。
 

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 オタマ・・・いや違うな・・・全部の個体が足4本生えそろっているし、頭にウーパールーパーの様な触覚が有ります。
 
 まさか【サンショウウオ】?

 と思って帰ってから調べてみると、本当に【サンショウウオ】が住んでいるようでした。こんなに沢山見たのは初めてだ・・・
 サンショウウオは、もっと綺麗な水に住んでいるようなイメージが有りましたが、こんな所にもいたとは・・・

 どうやら止水性の沼地などに住む、【クロサンショウウオの幼体】のようです。触覚のような外鰓などが生えているのはそのためのようですね。

 今回最大の驚きです。すごい・・・
 ぜひとも大きくなってこのまとわりつくブヨを沢山食べて下さい・・・


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【9時5分】
2,200メートル
 ついに、早月小屋に到着しました。
 距離的には、3分の2近い道程を進んでいるのですが、実際の労力的には早月小屋で、ようやく半分といった具合でしょうか。


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 小屋では今から、ヘリでの荷卸しが有るとのことで、山小屋正面の広場ではなく、テント場を休憩場所に利用させてもらえることになりました。
 どうりでさっきから何度もヘリの音が聞こえてきたはずです。
 
 さて、ここで軽食&トイレ休憩です。

 しかし、もっとテントが張ってあるかと思いましたがテント場はガラガラ。そういえばすれ違った人も少ないし、今日は人が少ないのかな?


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【9時40分】
 少々のんびりし過ぎてしまいましたが、早月小屋を出発します。


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 と、登り始めてしばらくして、またしてもバラバラと大きなヘリの音が聞こえてきました。

 小屋のほうを見てみるとヘリが大きな荷物をあっという間におろして、再び飛び去って行きました。
 何度か繰り返しこのような作業を行っているようですね。

 ヘリは下界ではなく、山のほうへ飛び去って行きました。どこから荷物を運んできたのでしょう?室堂辺り?
 

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 今日はまだ雲も出ておらず、遥か彼方の富山平野や富山湾が綺麗に見渡すことが出来ました。
 
 ここから下界が見えるということは、強力な自転車用ライトでも点滅させたら、自宅の妻子に見えるのかな?
 ・・・救援を呼ばれたら困るのでやめておきましょう。

【10時10分】
2,400メートル


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 ここまで来ると、完全に森林限界を越え、岩場が目立ち這松の生い茂る世界へと変わります。
 
 ああ・・・しかし登りがキツイ・・・
 あらくにさんは、登りが強いので着いていくのに苦労します。
 

【10時40分】
2,600メートル

【11時25分】
2,800メートル
 2,600から、2,800は強い傾斜や、登り返しが有ったりと長く辛い区間の為、やはり長めに時間を要しています。


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 そして、ついに雲が流れ出てきてしまいました。
 荒々しく美しい稜線たちも隠されていきます。

 山はやっぱり午前中に登頂しないと山頂での大パノラマは難しいのかなぁ・・・


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 ですがまだ、尾根の反対側の稜線は青空が見えています。
 
 山頂まで残す標高は200メートルを切り、道のりはわずか0.7キロ

 少しでも天気の良いうちに、山頂へたどり着くために再び歩を進めます。


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 ちらりとはるか下方の谷を見ると、けっこうな高度感が有ります。
 

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 さらに進んで今度は天気の良い南側の谷のほうを見ると、何やら鬼の角のような変わった岩も。

 しかもよくよく見れば、誰か登ろうとしているではないか。すごいなぁ。
 多くの岩場が、様々な登山家たちを剱岳に引き寄せるのですね。


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 植物も少なくなり、いよいよ鎖場が近づいてきました。
 
 さらには、風も大分冷たくなってきました。やはり夏の風とは明らかに違います。

 登っているので身体は熱く、ウインドブレーカーなどを着るほどではありませんが、アームウォーマーをして直接風を受けないようにします。


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 キモの鎖場も難なくクリア。
 
 しかし鎖場は、晴れていればなんてことはない景色ですが、曇って視界が悪くなると下が見えないので恐ろしげな景色になりますね。


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 最も長い縦の鎖場もスタスタと登ります。


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 ついに鎖場を終え、山頂付近の案内矢印へとたどり着きました。
 長かった~もう頂上は目と鼻の先。


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【12時5分】
 ついに登頂!!あ~長い道のりでした。

 あれ?しかし・・・
 なんだか風景が違う?

 地べたには剱岳2,999mの板切れ。

 あれれ!【祠】が無い!!どこに行ったのでしょう?雷でもあたって燃えてしまったのか?しかし祠を囲った石垣も無いので、誰かが降ろしたのでしょうか?

 まあ、登頂したことに変わりはありません。気を取り直して満足感に浸りつつしばらく辺りを眺めまわります。


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 前剱方面。
 今日は雲に囲まれて、立山方面すらもよく見えないのですが、近場は空気が澄んでとても綺麗に見えます。


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 源次郎尾根を山頂の崖っぷちまで進み、真上からのぞいてみます。

 う~ん険し過ぎて、どこをどう登ってくるのか全く分からないですね。


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 荒々しい八ツ峰。
 ああ…見事だなぁ。

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 そのはるか下方にはテントが。
 今日はあそこから登ってこられたと思われる集団も何組かいらっしゃいました。
 ヘルメットとザイル姿で、我々一般登山者とは一目で異なると分かります。


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 そして後立山連峰の山々。
 今日は立山方面よりこちら側のほうが遠くまで見通せました。山深い・・・針ノ木岳くらいしかわかりませんが、実に多くの山々でひしめいているといった感じです。


 ・・・さて。
 山頂には、20人以上の登山者の方々が休憩しておられちょっと狭い感じです。

 ちょうど昼食の時間帯ですから休憩&調理場所を確保しなければ。


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 適当な岩陰に腰を据え、道具を広げます。いや~テンションあがるなぁ。
  
 いよいよ登頂に続く、今日の第2のハイライトクッキングタイムです。


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 取り出したカップラーメン。
 ・・・もっと蓋がパンパンに膨らんでいないかと期待したのですが実に普通でした。
 そういえば、ランチパックの袋もいつもと違ってやや余裕が有ります。
 
 いつもと比べて今日は地上との気圧差が小さいってこと?
 昨晩まで雨でしたし、今日も夜からは雨の予報です。低気圧が近づいているからでしょうか?


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 さて、いよいよ携帯燃料に火をつけました。
 アルコールが主成分の為か火の色は良く見えません。


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 ちょうど500mlの水を入れた手鍋に、温めるためハンバーグも入れて、準備完了。
 あとはお湯が沸くのを待つだけです。楽しみだなぁ

 ・
 ・・
 ・・・
 ・・・・
 ・・・・・ 
 ・・・・・・
 ・・・・・・・
 
 沸かない!!
 あらくにさんのガスバーナーが、あっという間にお湯を沸かして、当にカップラーメンを食べ終わりつつあるというのにいまだに沸く気配が有りません。なんだと・・・

 だめだ・・・
 10分近くは火に掛けていたでしょうか?ようやく泡らしきものが目立ち始めたところでタイムアップ。
 天候の悪化が懸念されるため、あまり山頂でのんびりし過ぎていてはいけません。
 
 悲しいかな。未沸騰のままカップラーメンに注ぎ込みました。


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 やや熱いと言った程度のお湯で作ったカップラーメン。
 少々麺は固いですが、けっこう美味しく出来上がりました。
 
 やはり寒い山頂で暖かい食べ物は最高ですね。

 その後余ったお湯でコーヒーを飲み、速やかに後片付けを済ませたのでした。 
 
 固形燃料は、キャンプするときのようにたっぷり時間のある時は良いんでしょうが、山頂ですぐお湯を沸かしたい!!
 といった場合には少々火力が弱すぎるようです。残念ですが、これが現実が・・・バーナーが欲しい!!



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【13時10分】
 下山開始。山頂の周りは思ったより天気も良く青空も見えていました。
 
 しかし、帰りの時間を考えれば、1時間以上も山頂に長居をしてしまったために、さっさと下山しなくてはなりません。


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 山頂付近よりも、やや下のほうが雲が多いようでした。
 ボルトで補強された足場も慎重にパスします。


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 山頂付近の岩場をすぎて、以後は急な傾斜の下山道を、足の痛みを堪えながら必死で下ります。
 まるで雲の中の一本道を歩いているようです。
 
 
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【15時】
 ようやく早月小屋にたどり着きました。
 午前中よりもテントが増えています。明日の早朝アタック予定の人たちが登ってきたのでしょうか?

 それにしても足が痛い。ダブルストック&トレッキングシューズのおかげで、前回に比べれれば体力的にも、足の痛みにも余裕はありますが、辛いものは辛い。
 

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【17時30分】
 その後の登山道の間では、相変わらず雲に包まれ、ブヨにまとわりつかれ、湿った木の根で何度も足を滑らせて痛い思いをし、二人とも口数も減り、心身ともにボロボロになりながらようやく下山口にたどり着きました。
 

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 終わった・・・
 人生2度目の剱岳でしたが、新たな発見や、いろいろと再確認できたこともあり、辛いながらも充実しきった濃密な時間を過ごすことが出来ました。

 もうしばらくは登山はしたくない・・・と、思いつつも疲れが癒えたころにはきっとどこかに行ってみようかな?と考えていることでしょう。


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 朝も歩いた駐車場までの道を、足を引きずりながらゾンビの様に車に向かいます。足痛い・・・

 さようなら剱岳。またいつか会いに行きます。


さて、かかった時間は・・・

≪往路:6時間15分≫
 早月尾根登山口   5時50分
 早月小屋着     9時5分
 早月小屋発     9時40分
 剱岳山頂      12時5分

~休憩~  『1時間5分(笑)』  

≪復路:4時間20分≫
 剱岳山頂      13時10分
 早月小屋      15時
 早月尾根下山口   17時30分

合計11時間40分

 休憩時間がかなり長かったため、思った以上に時間がかかってしまいましたが、自転車部分を差し置いて、登山部分だけを抜き出してみればやはり前回よりも早く往復できています。
 
 登りの時間は大差ありませんが、下山の速さはストックによるところが大きいと思いますね。
 
 前回の帰り道では、下山開始早々に膝がボロボロのカクカクになっていましたが、今回は最後まで足取りはしっかりし、膝関節の痛みも一晩寝れば治るレベルのものでした。但し、当然のごとく全身筋肉痛にはなりますが・・・
 
 やはりストックの存在は、特に下山において有ると無しでは大違いですね。


それでは今回はこのへんで

剱岳登頂の旅【海抜0メートルから2,999メートルへ】

剱は熱いうちに打て!!
 8月も終盤に差し掛かった、26日(日)
 この週は、週間天気も晴れ続きで、当日の天気も良いという絶好の登山日和でした。

 気持ちも気温も高まっているうちに、以前より計画していた上市町馬場島を出発点とする、『早月尾根』ルートを利用して、日帰りでの『剱岳』自力登山を行ってきました。



 今回のルート。
 まさに海から一直線に、剱岳山頂をめざす過酷なルートです。

 同じ富山県に存在する名峰である、『立山』と『剱岳』ですが、県民にとってもそのイメージはかなり異なります。立山に登ったことのある県民は多いでしょうが、剱岳に登った県民はそうはいないはずです。
 
 両者に対するイメージとしては
 
 A:『昨日立山に登ってきたんだ』
 B:『へ~すごいねぇ→』(感心)
でありますが、
 A:『昨日剱岳に登ってきたんだ』
 B:『へ~すごいねぇ↑』(感嘆)
と、言ったところでしょうか。
 
 さて、海から登山道入り口の馬場島まではおよそ30キロ弱。標高760メートル程度ですが、自転車を降りて以降の登山道は、8.3キロの道のりで標高2,200メートル以上を登らねばならず、かなりの労苦を予想させます。
前回の立山登山に比べれば、全体的に一回り短い行程ですが、その道のりやいかに?
 
 それではかなりの長文になりますが、スタートです。

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【3時15分】
 寝坊をしてしまい、予定の時間より30分ほど遅れてしまいましたが、いつもの通り滑川漁港側の、道の駅ウェーブパーク滑川の堤防に到着です。
 この夜の気温は25℃ですが、空気は少々蒸し暑い感触の肌触りです。
 もう8月終盤になりましたが結構気温の高い夜と言えます。
  
 さあ時間は有りません。速やかに出発します。


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【4時25分】
 滑川市からすでに上市町に入っており、伊折橋を渡りました。この時点で馬場島までは残り8キロ程度です。
 
 出発してからおよそ20キロ走り続けていますが、10キロ地点程の、滑川市の『みのわ温泉』付近を通り過ぎてしまえば、完全に人気は無くなります。
 
 ・・・やっぱり怖すぎる。

 一応この道のりは、かつて集落が有ったころの名残が有るために、ときたま街灯が有ったりしますが、小一時間近く殆ど真っ暗闇の中を走り続けています。
 まあ、称名滝へ至るまでの、国立公園立山の道のりよりはちょっとだけましといったところでしょうか・・・
 もうこれでもかと、ラジオと鈴を鳴らしまくります。


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【4時45分】
 次第に夜も明け始めて空が白みだしたころに見事な『剱岳』のシルエットが浮かび上がりました。
 綺麗だ・・・

 今からそこまで行って見せるからな、待っててくれ!
 などと、明るくなってきたので気分も高揚して強気になります(笑)


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【5時】
 ついに馬場島に到着です。
 先日の『馬場島サイクリング』の際には雲に隠れて見ることが出来なかった、早月尾根から剱岳山頂に至るまでの稜線が浮かび上がっていました。

 また、登山者用の駐車場には沢山の県内、県外ナンバーの車が停まっており、この日に剱岳登山を楽しんでいる人々の多さがうかがい知れます。


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 『試練と憧れ』の石碑前で到着を記念して撮影。
 そうこうしている間にも、続々と登山道へと人々が入っていきます。やはり今日は私のみならず、誰しもが絶好の登山日和と考える日なのでしょうね。


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【5時40分】
 近くの広場に植えてある木に自転車をデポして、さっさと登山モードに着替えて登り始めます。
 見上げるような登山道ですが、足のみで登れるこの序盤はどうということはありません。

 今後標高があがるにつれて、木の根を掴み、石を掴み泥にまみれて登らねばなりません。
 そして、いざ森林限界を過ぎれば、岩にしがみつき、鎖につかまり登っていくという、さらに過酷な道のりが待っているのでした。


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 出だしの登山道。
 木の根が階段状になっていて登り易い道のりです。また、多くの土嚢が登山道に敷き詰められており滑りにくく非常に歩きやすい区間です。1,000メートル程度までの区間は、平らな部分も多くちょっと急なハイキングコースといった感じです。


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【6時】
1,000メートルに到着です。


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 1,000メートル地点にある、松尾平は『平』と言いながらも小さな広場といった程度ですが、ベンチなどもあり小休止が出来ます。
 しかし、先を急ぐわが身はノンストップで進みます。


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 1200メートル付近で、多くの人々がブログなどに納めている、巨大な『立山杉』の姿を目にします。
 改めて間近で見てみるとなかなかの迫力が有ります。
 長年の雪の重みで変形してしまった、その異様かつ巨大な姿はまるで、山の精霊のようにも見えます。

以後、
【6時30分】
1,200メートル
【7時】
1,400メートル
【7時20分】
1,600メートル
と、順調に高度を稼ぎます。
 

P8260363.jpg
【7時45分】
1,800メートルに到着


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 この辺りまで登ると、登山道の姿は入り口付近とはかなり様相が変わっており、大きな石も目立ち始め、急登に加えて、木の根や石につかまって登る場面が多くなります。
 

P8260366.jpg
 また、次第に景色も変わって見晴らしも良くなりつつあります。
 後ろを振り返れば、ここまでの早月川に沿って走ってきた道のりが一望できました。

 霞がかかっており、日本海や、平野部の街並みははっきりとは見えませんが、山々の奥深くまで入り込んできたことがよくわかります。


P8260367.jpg
 下には、馬場島の姿が。
 登山道入り口から、約1,000メートルの標高を稼ぎました。もう馬場島荘は、あんなに小さくなっています。


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【8時20分】
2,000メートル
 早月小屋まで、あと1キロの表示。


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 早月尾根ルートでは唯一の池塘ですね。アルペンルートの弥陀ヶ原などの物とは異なり、淀んでいて汚いです・・・


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 また、この辺りから縄場も多くみられるようになって、ますます過酷さに磨きがかかってきます。
 ですがここを登り切れば、早月小屋にたどりつきます。もう一息です。


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  眼下に『早月小屋』の姿に加えて、正面には一層近づいた剱岳の姿が見えます。
 しかしまだ、正面にはまだまだ巨大な尾根の姿が・・・あれも乗り越えないといけないのか・・・


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 しかし、この早月小屋からの展望はなかなかのものです。
 今まで木々の中を這いずり回っていただけに、その解放感は抜群のものが有ります。
 
 これは、雄山・大汝山方面。


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 そして、大日岳・奥大日岳方面。

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 そして逆側にある山。方角的には、赤ハゲ山、白ハゲ山、池ノ平山と思われます。


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【9時】
 『早月小屋』に到着。なかなか趣のある佇まいです。

 出発からおよそ3時間半弱。計画よりも早いペースで登ってくることが出来ました。
 正面のベンチで休憩&ランチパックを食べたりと小休止します。


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 そして公衆トイレ。トイレの中は、鼻の奥にツンとくる懐かしい香りがします(笑)


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 テント広場には、いくつものテントが立てられていました。
 前泊して、早朝日の出に向けて、頂上を目指した人々のテントでしょう。そういう登山も面白そうだなぁ。
 皆さん一人用のスタイリッシュでコンパクトなテントを建てています。いいなぁ・・・


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【9時20分】
 休憩を終え、出発します。

 早月小屋そばの、2,200メートルの標識。
 また、ここから頂上まで残り2.9キロもあります。長いなぁ。

 この標識は、標高200メートルごとに設置されていますが、ここからの200メートルはこれまでの道のり以上の距離と、勾配が有るという、さらに過酷な登山道なのでした。


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 斜面にむき出しの岩にしがみついて登る登山道。


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 そんな中でふと斜面に目をやると、これは『コゴミ』か?それともただの草?
 こんな夏なのにやはり高地は季節の訪れが遅れるのかもしれませんね。


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 さらに登ると、回りの木々も低くなり始め、いよいよ展望が開けてきてきます。


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【9時50分】
2,400メートル


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 稜線に出ました。
 この辺からは、アブやブヨがウヨウヨしているうっそうとした森林の中ではなく、開放的な風景を眺めながら歩くことが出来るため、気分的にいささか楽になります。
 

P8260400.jpg
 そして、頂上までの道のりが具体的に見え始めてきました。
 あの尾根を伝っていけば、目指す頂上へたどり着くのです。


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 しかし、この時間帯から雲が下のほうからまさに、モクモクと登ってくるのが目に見えました。本当に煙のように登ってきます。
 山側は雲に包まれてはいませんが、背後の平野部を振り返ってみると見事な『雲海』が広がっていました。

 地上の景色が見られないのは残念ですが、これはこれで見ごたえがあります。


P8260405.jpg
 そして、雲より上の山の景色は、一部雲がかすめたことにより、より幽玄さを増して一層に幻想的な美しさを醸し出すようになりました。


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 そして、ひとたび太陽が指せば美しい緑と茶色と、荒々しい稜線のコラボが楽しめます。
 綺麗だなぁ・・・


P8260413.jpg
【10時25分】
2,600メートル


P8260414.jpg
 登山道上にまだ雪の残る雪渓のルートを通ります。
 しかし私は、前回の立山登頂の際と同様にトレランシューズで登っており、雪上のグリップ力に不安があったため、雪を避けて上部の土の部分を通ることとしました。


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 なぜなら、尾根の遥か上部の稜線上に登山道が走っており、その登山道を一歩外れればこの急斜面を転げ落ちることになるわけです。それは避けたいものです。
 

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 後ろを見れば、多くの山々よりはるか上部にまで達していることが分かるようになりました。
 雲から顔を出している、低山達の頂が見下ろせます。


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【11時10分】
 ついに標高2,800メートルに到達しました。
 いよいよ残る道のりは頂上へ至る道のみとなりました。


P8260429.jpg
 いよいよ頂上へ向けて出発です。
 もう周りの大地のほとんどは『岩』となり、見上げる頂上部の刺々しさがハッキリと見て取れるようになりました。
 さらにこの先は鎖場が連続する荒々しい道のりです。疲労した体に気合を入れなおして先へと進みます。


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 最初の『鎖場』に到着しました。
 ここに来るまでは、鎖場とはどんなところなのだろうと想像をめぐらせていましたが、思っていた以上に足場も岩の手がかりもしっかりしていて、鎖をサポートにして進めば、むしろかなり楽に進むことが出来るといった感触を得ました。

 ちなみに、もちろん一枚岩で足場のない所や、足場はあれど、手がかりの少ない場所などにも鎖が張ってあり、鎖なしでは危険なのは間違いありませんが、『ド素人は剱に来るな』というような過激な危険度や、過度な恐怖感も感じませんでした。落ち着いてしっかり進めば大丈夫な道のりです。
 
 ここに来るまでに力を使い果たしてしまうような人は危ないでしょうが、そもそもそんな人は山自体登らないでしょうしね。
 

P8260439.jpg
 鎖は太い頑丈なステンレス製で、しっかりと岩に打ちこまれており全体重をかけて掴まっても安心できます。


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 三回目の鎖場。人が対岸で待ってくれていますさっさと行きましょう。
 

P8260442.jpg
 ここは一部足場のない場所に、一風変わって足場としてボルトが打ちこんであります。


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 足場の上から見るとこんな感じです。ボルトが打ちこんであるおかげで実に楽に岩場を渡ることが出来ます。
 どうやって作業されたのかわかりませんが、その労苦に感謝ですね。


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 その後もいくつもの鎖場を越えて、頂上を目指すこととなります。
 ワクワクして気分が高揚しているためか疲れも忘れて、ここまでの道のりとは比べ物にならないほど体がよく動き、気分よく登ることが出来ました。
 
 もうここからでも、頂上付近に立てられている、案内看板のシルエットがかすかに見てとれます。


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 また、刺々しい岩場だらけの道のりにも、このような可愛らしい花や、白や黄色の小さな花々が所々に咲いており、はやる気持ちを穏やかにしてくれます。


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 下方に『一服剱』の姿が見えます。
 さらに、別山方面のはるか下方には『剱沢小屋』の姿が見えます。今日はあそこから登ってきて頂上に立ち、下山中に私と早月尾根ですれ違った人も数多く居られたことでしょう。
 さらに奥には『剱沢キャンプ場』に点在するテントの姿や、さらにはうっすらと雲がかかった『別山』の姿も見ることが出来ます。


P8260463.jpg
 最後の鎖場!!これを登ればもう頂上は目前!!
 

P8260468.jpg
 最後の鎖場を登り切った先には、これまで切り立った岩場にさえぎられていた視界が空に向かって解放されていました。
 もうあとは、両手両足を使って先へ進むだけとなります。


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 なお、頂上までの道のりにはいくつもの案内看板が存在していました。
 
 岩に打ちつけられた、早月尾根ルートを示す木版。


P8260470.jpg
 朽ちかけた木彫りの立札。
 木彫りの文字の為か、色はすっかり抜け落ちていますが、どちらもちゃんと読むことが出来、視界が失われた際にも役に立ちそうです。


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 なお、立札のもう一方は、別山尾根方面を指し示しています。有名なカニのヨコバイ、タテバイのある方面ですね。いつかそちらのルートも通ってみたいものです。
 また、この位置からは『前剱』も見えるようになりました。


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 そして、かなり下からも見ることが出来た、最も大きな立て看板。しかし、こちらは完全に字が消えており地図と合わせなければどこを指しているのかはわからない状態です。


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 いよいよ頂上の祠が見えてきました。ようやくだ・・・


P8260477.jpg
【12時】
 ついに登頂成功!!
 海岸を出発してからおよそ9時間。馬場島から6時間半。
 
 何度も息を切らして下を向きながら、ついに海抜0メートルから、標高2,999メートル『剱岳』の頂上にたどり着きました。
 やったぞ~
  
 と、実際には叫んではいませんが、心の中で快哉を上げていました。

 なお、残念ながらこの時間にはかなり雲が多くなっており、あまり遠くの山々や、景色を楽しむことは出来ませんでした。
 しかし、私にとっては近間の景色だけでも十分に感動的でした。


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 雄山、大汝山方面。
 これははっきりとよく見えます。つい先月あの辺りまで登ったんだなぁ~と思うと感慨深いです。


P8260485.jpg
 そして、切り立った八ケ峰方面と、後立山連峰達。
 ものすごく切り立った稜線です。流石にこれはチャレンジしてみようとはちょっと思えないですね・・・
 とても生きては帰れなさそうです。
 剱岳の真の過酷さを語る場合は、このようなルートのことを言うのかもしれません。

 もうしばらく待っていれば、雲が流れて展望が開けるかもしれませんが、帰りの時間を考えるとそうそうのんびりしていることは出来ません。早々に帰り支度を行います。


P8260487.jpg
 さて、下山に備えて頂上でささやかに栄養補給です。
 ランチパックの包装紙は、気圧の関係でパンパンに膨れています。


P8260494.jpg
【12時20分】
 少々の休憩の後、下山開始です。
 わずかの時間でしたが、ガレた山頂付近に別れを告げて出立します。

 しかし、無事に帰ってこその挑戦達成。気合を入れ直して帰途につきます。
 
 なお、帰り道は、すれ違う人も少なく寂しい道のりの上、ここまでの足の酷使により膝がガクガクになって踏ん張りがきかない状態で進まなければならないなど、登り以上に気を使い、かつ過酷な道のりであったのでした。



P8260507.jpg
【14時40分】
 なんとか、早月小屋にたどり着きます。
 午前中にあった数々のテントはすっかり引き上げられています。
 
 それにしても膝が痛い・・・
 しかも3.5リットルも用意していた水が底を尽きかけており、早月小屋で2リットル800円のミネラルウォーターを追加で購入して、以後の下山に備えました。

 もともと、水の消費は多いほうですが、まさか3.5リットルが無くなるとは・・・天気が良くて、暑かったからなぁ。


P8260510.jpg
 以後は、完全に雲の中。午前中の快晴はウソのようです。
 ジメジメじっとり。
 
 登頂を目指す高揚感も無く、痛む膝をだましだまし使い、何度もしりもちを付きつつ、さらには延々とアブやブヨにまとわりつかれ、その度に虫よけスプレーを身体に振りかけ、しかしそれもすぐに汗に流されつつ。。。
 まるで密林を彷徨うゲリラ兵の様に下山を続けたのでした。

 登山が『憧れ』への道のりならば、下山はまさに、『試練』の道のりと言えます。


P8260512.jpg
 過酷で精神的にも堪える長い長い下山の道のりを終え、ついに早月尾根下山口へと帰着しました。


P8260514.jpg
【17時45分】
 下山完了。
 やった・・・ついにやってのけた。

 もう言葉にならないほど過酷だったとしか言いようが有りません。
 間違いなく、海抜0メートルからの立山登山のほうがよほど「楽」な道のりです。
 
 また、ちょうど同じころに下山された方も数人かおられ、皆過酷な道のりを終えた満足感に浸っておられました。しかし、当然今日ここまで自転車でやってきた人間は私一人です。
 そそくさと木陰で着替えて、サイクリングモードへと変身します。

 ここで、すべてが終わった気になっている時間はありません。
 まだ、自転車で海岸までの、30キロの道のりが控えているのですから。


P8260513.jpg
 帰りに改めて、石碑に刻まれた『剱岳の諭』を読み返します。
 自分も少しはこの言葉にふさわしいような登山者で在りえたであろうか?
 

P8260515.jpg
【18時】
 着替えも、帰り支度も終え剱岳方面を振り返ります。
 今日一日、たっぷりと付き合った剱岳を含む山々は、いまやすっかり雲の中にその姿を隠しています。
 さようなら剱岳。またいつか会いに来るよ。 

 愛車CLX2.0にまたがり帰途につきます。
 帰りは下り基調のために、膝が痛いながらも、だましだまし帰ることが出来るはずです。

 
P8260524.jpg
【19時20分】
 無事に、ウェーブパーク滑川傍の漁港に帰り着きました。
 長い長い過酷な一日もこれで終わりです。

 立山登山に比べれば、知名度はいまひとつかもしれませんが、日本でも指折りの険しい山である『剱岳』に、これまた北アルプス3大急登に数えられる早月尾根ルートを利用した自力登山の達成を成し遂げることができました。


 さて、かかった時間は・・・

≪往路:8時間45分≫
 滑川(海岸)    3時15分
 早月尾根登山口   5時40分
 早月小屋      9時
 剱岳山頂      12時

~休憩~  

≪復路:7時間≫
 剱岳山頂      12時20分
 早月小屋      14時40分
 早月尾根下山口   17時45分
 滑川(海岸)    19時20分
 
なんと合計15時間45分。

 思ったより、早いと見るべきか、まだまだ鍛え方が足りないというべきか・・・
 しかし、ブログなどで、幾人もの超健脚者の方々が達成しておられる海抜0メートルからの登頂者の一員に加わることが出来て、個人的には大満足です。

 また国立公園立山の様に、通行の際の時間制限等も無く、かつ最も近く、手軽にたどり着ける日本有数の秘境に対して、これほどまでにアクセスしやすい環境の元で生活していたというのは我ながら驚きです。

 実際、立山も剱岳も、遠方からの訪問者の方などは、多少天気が悪くても日程の関係で強行しなくてはならないような場合がほとんどでしょうが、私などは【行こうと思えば何時でも行ける場所】の、ために当日の天気を見てから判断することも十分可能という、恵まれた環境に生活していたということがよくわかります。

 美しくも、厳しい山々。すぐ近くに有りながらも、まだまだたどり着いたことも無い世界が沢山有るということが思い知らされました。
 もっとこの足で、多くの世界を見てみたいものと、改めて思いました。

 大変長くなりましたが、これにて私にとって初の『剱岳自力登山』について終了します。  


それでは今回はこのへんで

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