初めてのテン泊登山をしてきました『後編』 【薬師峠から北ノ俣岳へ】

薬師岳
08 /15 2013
 さて、今回は前回からの続き。
 
 8月10日(土)に薬師峠でキャンプを張り、翌8月11日(日)に再び薬師峠から、ご来光を眺めるために再び薬師岳の山頂に立ち、その後は富山県と岐阜県の境界にそびえる【北ノ俣岳】をその日の最終目標とした山行を行ってきました。


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【3時】
 昨日気合充分にテントに潜り込んだまでは良かったのですが、結局なかなかぐっすりとは寝付けずに周囲の喧騒にて完全に目が覚めました。

 この初めてのテン泊は、シュラフに入れば暑く蒸れを感じ、出れば肌寒くて寝られず、おまけにタオルを引いただけの床からは地面からの冷気が時間とともに体に伝わってくるなど、対策が不十分な点が数多く発見されました。

 そして、一日大汗をかいた自分が想像以上に臭い(笑)

 次の活動の際の課題が見えてきましたね。

 さて、周囲の学生と思われるテントからは、午前2時過ぎにはもう活動を始めており、山の活動開始の早さが窺い知れます。

 寝苦しい空間に我慢することも限界に感じ、どうせ寝られないならと、私も活動を開始することとしました。

 暗闇の中でうごめくヘッドライト。

 そして空には満天の星空が広がっています。

 私のデジカメでは残念ながら綺麗に撮ることが出来ませんでしたが、今日の晴天を予感させるものでした。
 

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【3時50分】
 昨日の行程で、結構疲労を感じていたので、昨日の時点では中止して、朝までぐっすり休もうかと考えていましたが、結局再び薬師岳山頂より、ご来光を眺めるために登山を開始しました。

 でも今の時間からでは、ちょっと山頂でのご来光は厳しいかな・・・

 しかし、もっと多くの人が登るものかと考えていましたが、ほとんど登ってきません。
 流石に登山道は暗くて不気味でちょっと心細い感じです。


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【4時50分】
 薬師平山荘に到着です。
 
 当然山荘の人々も活動を開始しています。

 ちなみに、今朝は昨日とは異なり非常に足取りが軽い。
 一晩休憩したおかげか、はたまたいわゆる高度順応と言うものが出来たおかげなのかもしれません。


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 満天の星空であった為、雲一つない景色が広がっているのかと思いましたが結構雲が広がっていました。

 しかし標高2,700メートルを超えた稜線からは雲の上に出て、昨日とは異なり高山たちの頂が垣間見ることが出来ました。

 綺麗だなぁ・・・幽玄という言葉が良く似合います。

 やはり早起きして登ってきてよかった。


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【5時20分】
 南東稜に登り切って、東の空を見渡せるようになった頃には当に日は登り切っていました。

 少々残念でしたが、高山の上で眺める、登ったばかりの朝日の美しさは十分に素晴らしいものです。


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 朝焼けに照らされる、薬師岳山頂方面。


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 そして、東南稜方面と背後の山々の姿。

 しびれますね。


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【5時半】
 再び薬師岳山頂に到着です。

 ここまで幾人かの人を追い越し、また下山される方とすれ違いましたが、日の出が終わったら引き上げていった人も多いのか、山頂は閑散としています。

 早朝の静かな山頂も良いものです。

 しばらく山頂からの景色を堪能しましたが、次第に雲が登ってきて、遠くの山々は隠されていったため、キャンプ場への下山を行いました。

 そう、今日はこれからテントも撤収して、もう一山登って折立まで帰還しないといけないのです。

 さよなら薬師岳。またいつかやってくるよ~


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 薬師岳からの下り道。

 次第に太陽の光が差し込めてきており、天候が回復する兆しが感じられてきました。

 薬師岳での展望がいまいちだったのは残念でしたが、日光に映える緑の美しさを眺めながら次の道のりへの期待に胸が膨らみます。


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【6時50分】
 薬師峠に帰還します。

 この頃には大量にあったテントたちも半分は撤収しており、あの夜の賑やかさがまるで夢だったかのようです。

 山賊さんもテントの撤収にかかっておられましたが、生憎の曇り空の為か、夜露で湿ったテントが乾かなくて苦労しておられるようです。


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 私も当初の予定より大分時間が押しており、速やかに撤収の準備にかかります。

 テントは夜露でまだびしょびしょの状態です。

 次第に天候が回復して、太陽の光りが差し込んで来ておりましたが、とりあえずタオルで拭いて、広げて乾かしにかかります。

 その間に山賊さんは、次の目的地へと旅立っていかれました。

 お世話になりました。この先もお気をつけて~


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 テントを乾かすと同時に、朝食も併せて摂ることとします。

 今日の朝食は、アルファ米と、レトルトカレーとチーズ入り肉団子を合わせた肉団子朝カレーです。

 やはり肉と米を食べないと力がでないな。

 だんだんと日差しの強くなる中、辛口カレーを汗を拭きながら食します。


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【8時50分】
 そうこうするうちにテントも乾き、撤収も完了して出発の準備が整いました。

 予定より1時間は遅れているな・・・

 北ノ俣岳まで行こうかどうしようか少々迷いましたが、時間とともに益々青くなって行く空の姿に、もっともっと山の中を歩きたい思いが沸き上がってきます。

 それに加えて社会人にとっては、機会を逃せば山はどんどん遠ざかって行く様な気がします。山は逃げませんが決して待っていてはくれないのです。

 山はいつまでもそこにあるものですが、自分から向かわなければ決して近づいて来てくれるものではありません。



 この様な機会はそうそう無いと改めて決心し、標高2,661メートル、富山県と岐阜県の境界にそびえる、北ノ俣岳山頂へ向かって出発したのでした。

 なお、今回は荷物を背負って歩く練習も兼ねているので、もちろん20キロオーバーのザックを背負っての登山です。


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 いや~しかしますます持って天候は良くなってきています。
 
 周囲の緑は一層映えて、景色を眺めて歩いているだけで気分は高揚していきます。


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【9時15分】
 太郎小屋に到着。

 相変わらず多くの登山者でにぎわっていますが、この時間帯なら宿泊者が大半を占めているのでしょうか?


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 太郎小屋からは立派な長い、木道区間が多くなります。

 薬師沢との分岐点に到着。

 必ずここを、私も左に向かってみせるぞ!!


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 とは言ったものの。

 木道が次第に登り基調になってくると、一気に足取りが重くなってきます。

 馬鹿な・・・先ほどの薬師岳ではまるで羽の様だった身体が・・・
 
 20キロのザックが想像以上に重く感じます。

 取り合えずめげずに登り続けて太郎山山頂の分岐点を見つけたため、ちょっと寄り道を致します。


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【9時25分】
 標高2,373メートルの、太郎山山頂。

 やった。まだ100メートルほどしか登っていないけれども、山頂に立つのはいいものです。

 ちょっと満足して、さらに先へと進みます。


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 しばらくは木道と、土の登山道が入れ替わるような、歩きやすい道程が続き、いよいよ北ノ俣岳が眼前に迫ってきます。

 あれが北ノ俣岳か・・・何というか、緑の多い山だな。といった印象です。

 平野から見るのと、全然形が違って見えています。

 しかし、この北ノ俣岳へと向かう道のりの方角は、立山でも、薬師でも、剱でもない。

 私にとってまさに初めての未知の区間でもあります。

 どんな世界が待っているんだろうと、期待に胸が弾んで来ます。


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 木道が終われば、ガレた岩が転がる登山道が始まります。

 傾斜はさほどではないが、薬師に登った後に、荷物を背負ってのこの道のりはかなり辛い・・・


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 しかし景色はますます持って美しくなっていきます。

 すっかり快晴となった薬師岳。


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 薬師峠のキャンプ場も見下ろすことが出来ます。

 まだチラホラとテントの姿が見えますね。


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 そして次第に険しくなっていく登山道。

 岩の粒が大きくて、足首に来ます。

 何が不味いと言えば、靴がまずいような気がしますね。

 重荷を背負った状態では、現在履いている軽トレッキングシューズである、ジャスパーキャニオンGTXでは、ソールも足首のホールドも柔らかいがために、直に衝撃が来て足の裏や、足首に段々と負担がかかってきました。

 これもまずい。
 何か対策を講じないと、足首がいかれてしまうことでしょう。


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 ですが、景色はますますもって美しくなっていきます。

 これまでに見たことの無い様な角度から、北アルプスを眺めることが出来ました。
 
 そして当然のことながら距離も近いため、見える色あいも非常に美しいものです。


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 水晶岳

 荒々しい稜線がひときわ目を引きます。

 黒岳とも言われるようで、確かに黒い。


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 そして赤牛岳。

 なるほど。のっぺりとして、赤い土色の着いた牛のようです。


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 そして、雲ノ平方面。

 ひたすらに広がる緑の大地。

 あの草原の向こうには何が待っているのだろう・・・

 いつか必ず行ってやるぞ!!


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【10時40分】
 その後、2,576メートルのピークも過ぎ、山頂まであと少しとなりました。


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 そして、見た目は近いながらも思ったよりも遠い山頂までの道のりを歩きづづけてて・・・

 ついに見えた!!


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【11時】
 薬師平から登り始めて、およそ2時間。

 ついに今日の最終目的地、北ノ俣岳の山頂に立つことが出来ました!!

 この激重いザックを背負っての初の山頂走破です。

 なだらかな山頂には黒部五郎岳方面から歩いておられたと思われる登山者の方々が数組休憩しておられました。


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 山頂からの景色は、今まで見てきた山々の山頂からの景色と異なり、山脈の中の一山頂からの景色といった風で、これまでに見たことのない、特別な雰囲気に感じられます。 


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 そして、この先の黒部五郎から、三俣蓮華山方面へと続く道程を眺めます。

 いいなぁ~。まだ見ぬ秘境へと、必ず行ってみようと思います。
 

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 そして背後を振り返れば、初めて眺める岐阜県方面の山脈の姿。

 今まさに、私は県境に立っている・・・感動的です。

 そして下方には、北ノ俣からの稜線から延びる神岡新道がはっきりと見て取れます。


【11時10分】
 あまりに美しい景色をいつまでも眺め、さらに奥地へと進みたいところでしたが、もうそろそろ本気で帰らないといけない時間帯へとなってきました。

 名残惜しいながらも下山を開始します。


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 お花畑が広がる美しい大地を、これまた青空に映える山々の山頂を眺めながら下山を開始します。


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 途中で今日も雷鳥に遭遇。ラッキー。

 今日のは頭に赤い星印があるのが見て取れます。


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【12時20分】
 再度太郎小屋に到着です。

 下りながら、薬師岳の麓の平らの中にある小屋の姿はこれまた美しいものでした。


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 多くの方が休憩する太郎小屋。

 さて、お腹もすいたので太郎小屋名物行者ニンニク入りのラーメン大を頼みます。

 味はまずまずですが、やはり行者ニンニクが美味しい。

 スープも全部飲みきって、後は折立へと下って、はるか下界の我が家へと帰るのみです。


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【13時】
 太郎小屋から折立へと下山開始します。

 昨日は雲に覆われて判りませんでしたが、この道のりも実に美しいものです。
 

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 さようなら薬師岳。

 とても楽しかったよ~


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 そしてさようなら北ノ俣岳。

 初めて見る角度からの山々の風景が今でもまだ目に焼き付いています。

 そして、この角度から見る風景が、いつもの平野から眺める北ノ俣の形でした。

 やはり、山って見る角度で全然違って見えるんだなぁ・・・


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【15時20分】
 太郎小屋を出発してからおよそ2時間半後。

 じりじりと照り付ける日差しの下、20キロを超えるザックを背負い、岩の転がるガレた登山道と、その先の樹林帯の段差に足首に不安を感じながらも、何とか折立登山口に帰り着くことが出来ました。

 いやあ長い道程でしたが、下山にかかった時間が思った以上に少なく、予定していた時間に下山することが出来ました。


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 まずは自販機でコーラ。
 
 一気に飲み干してしまいました。。。

 もう一缶位飲みたいのですが、残念ながら自販機のおつり切れにより、もう小銭が無いので買うことができません(笑)


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 あとは、駐車場までトボトボ歩き続けます。

 日曜の午後ですが、駐車場はもとより、路肩にもまだまだ多くの車が残っており、この週末の北アルプスの山々の盛況ぶりが窺い知れます。


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 その後、無事に車へとたどり着き、帰宅の準備を済ませて一路帰路へと着きつつも、途中寄道して有峰湖を眺めてから帰ることとします。

 まだ夏であり、水量豊富な有峰湖。実に綺麗です。
 
 山の中は、本当にどこを撮っても素晴らしい。。。満足して、疲労の余韻と共に、帰路へと就いたのでした。

 さて、今回は初めてのテントを使った一泊の山行を行い、無事に最後までやり遂げることが出来ました。

 その道のりの間には、想像していた以上に美しい風景と充実した濃密な時間を過ごすことが出来ました。
 
 やはり、山は良い・・・今回練習と経験を積んだわが身は、今度はより深くまで入り込んで行きたいと思います。


 それでは今回はこのへんで
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初めてのテン泊登山をしてきました『前編』 【折立登山口からから薬師岳山頂へ】

薬師岳
08 /12 2013
 夏真っ盛りの8月10日(土)から11日(日)の週末にて、先日より計画していたテントを使った山行をついに実施することが出来ました。

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 有峰林道を自家用車で登り、折立登山口より出発した、今回の目的地は北アルプス最大級の山体を誇る、標高2,926メートル『薬師岳』の登頂をメインに据えて、初めての試みであるテント泊の練習場として選んだ、薬師峠キャンプ場を行動の拠点とした一泊二日の行程です。
 (※写真は2012年11月)



 今回の前半戦のルート。

 標高1,356メートルの折立登山口よりおよそ11キロの道程を登り続けて、標高差は1570メートルの、薬師岳山頂へと向かう行程です。

 実のところ、折立から薬師岳までの道のりを歩くのは今回が初めてではなく、20年程前の学生の頃に、単位欲しさに嫌々ながらの不純な動機で、太郎小屋泊の一泊二日のコースで登った経験があります。

 嫌々登っていたためか、今となっては当時の記憶はほとんど無く、太郎小屋の夜に友人たちと、遅くまでひたすら高い缶ビールを飲んでいた記憶くらいしか残っていません(笑)
 
 今にして思えば、非常に迷惑なクソガキ共ですね。

 しかし今回は、初めて背負う65リットルのリュックに夢と希望とテントを詰めて、当日中に薬師岳山頂へと向かうつもり気合十分の行動です。

 さあ、かすかな記憶に残る北アルプスの女王薬師岳の山頂へ向かっていざ出発です!!


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【6時半】
 ・・・と、気合充分に出発したまでは良かったのですが、お盆前のこの日は、噂に聞いた登山のハイシーズンだったようで、まずは初っ端の有峰林道に入る時点で出鼻をくじかれます。

モタモタして出発が遅れたため、6時を過ぎてから有峰林道入り口の亀谷料金所付近に辿り着きましたが、なんと料金所の500メートル手前から渋滞発生。

 半分は、砂防工事のトラックや、タンクローリーでしたが、この自家用車達が全て、登山に向かうのかと思うと空恐ろしくなります。

 いやしかし折立まで、自転車で行こうなんて思わなくて本当に良かった。
 この大量のトラック達が走る中で、危険トンネル満載の有峰林道なんか走るなんて自殺行為の上に大迷惑も良い所でした。


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【7時15分】
 ようやく、料金所を通って折立登山口へと向かいましたが、恐ろしいことに駐車場どころか、路肩まで利用しての駐車場難民があふれていました。
 
 そのためバスも、トラックも渋滞に巻き込まれて、まともに前に進むこともできません。

 結局、登山口より1キロ以上手前の、新折立トンネルよりも手前に何とか路駐して、以後はトボトボと荷物を背負い、登山口へと向かいます。

 いや~しかし、ナンバーを眺めると全国津々浦々からの訪問者であふれかえっていますね。
 登山ブームとはこれほどの物か・・・


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 20キロを超えるザックを背負い、アスファルトの道路を歩き続けて、ようやく登山口にたどり着きました。

 ごった返す人の山。トイレ待ちの大渋滞。

 とても登山に来た気分ではありません。どこかの観光地にでも迷い込んでしまったかの様です。


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【7時半】
 それらを横目に歩を進め、昨年10月の有峰林道サイクリングの際に眺めて以来待ち焦がれた、一年越しの登山道へと足を踏み入れました。
 
 今日は体調も万全。さあいくぞ~


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 太郎平までの道のりの3分の1はこのような樹林帯の中の、狭い登山道を進むこととなります。

 今日はバスで訪れてきた団体客も多く、中々先へと進めずまどろっこしい思いをしながらも、少しずつ道を譲ってもらいながら先を急ぎました。


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【8時15分】
 有名な、アラレちゃんの看板前へ


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【8時45分】
 1,870メートルの三角点のベンチへ到着です。

 多くの人が休憩しており、私もここで軽くエネルギーの補給などを行います。


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 以後は歩を進める毎に木々も低くなり、次第に石畳や、木道で整備された登山道へと変化していきます。

 木道はともかく、このガレた石だらけの登山道は中々足に来ます。

 そして、残念ながらこの初日は写真の通り雲が広がっており、あまり展望の楽しめない残念な一日でした。


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【10時】
 ちょっと小休止。
 
 練習の為と思い、色々余計なものまで詰め込んだ、25キロ近いザックを降ろしてまったりしていると、下の方から何だか見知った顔の方が登ってこられました。

 なんと山賊さんではありませんか。

 よもやこのような所でお会いするとは・・・奇遇なものです。

 山賊さんとは今回の目的地や行動コースが異なりましたが、最終的には同じく薬師峠で一泊し、明日の朝までご一緒することとなったのでした。

 いや~今にして思うと、初めてのキャンプで見知った方と合流出来たのは本当に心強く楽しい思い出になりました。


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 その後もじわりじわりと苦しい登りを歩き続けます。
 
 それでも、標高2,000メートルを超えるところまでくれば周囲の景色は次第に高地の姿へと変化していき、美しい草原が広がりを見せるようになって行きます。

 その後は、

【10時15分】
 五光岩のベンチを過ぎて・・・


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【10時50分】
 太郎小屋前に到着。
 
 折立からおよそ3時間半。

 ふう・・・何だかここまで来ると何だか一息ついた気分になってきます。

 山小屋の前は多くの人で溢れており、とっても明るい雰囲気で、山小屋と言うよりはどこかの道の駅にでもたどり着いたような気分です。

 ここで登山届を提出した後に山賊さんが到着するのをしばし待ちます。
 
 練習の為にと道程を飛ばしてきたためにはぐれてしまったのですが、もしかしたらこの分岐でお別れの可能性もあったため、挨拶だけはしておかないと・・・

 とお待ちしていた結果、今日は山賊さんも同じく薬師峠でキャンプされるとのこと。

 それは良かった~。
 
 しかし、山賊さんは太郎小屋で昼食を摂って行かれるとのことでしたので、このまま薬師峠でテントを設置後、速やかに薬師岳登山へと向かいたい自分はここで一旦お別れして、今日のテント場である薬師峠へと向かったのでした。


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【11時15分】
 太郎小屋から、木道を歩き10分程度で、今日の宿である薬師峠のテント場が見えてきました。

 大きな薬師岳の東南稜の下、ポツポツと点在する色とりどりのテントの姿がこの上なく美しい景色です。

 いや~これからテン泊するんだって気分でてきたぞ。
 

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【11時25分】
 テント場に到着。
  
 ちなみに、まだこの時間帯は数も少なかったテントですが、この後私が薬師岳から帰ってきた後は倍増していました。


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 さて、今日の宿をどこにするかな・・・

 あまり考えずに、とりあえず道に近く、テントを張った跡の有る場所に設営することとしました。


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【11時45分】
 完成。
 うん、こんなものかな。ペグも打ち、引き綱は岩で固定して、今日の仮宿の完成です。

 さあ、薬師へ向けて出発しようかというところで山賊さんがテント場に合流し、人通りの追い場所に建てていることの面倒さや、傾斜に対する向きの悪さ等を指摘され、少々手直し等を行います。


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 やれやれ。もたもたした挙句、ようやく薬師岳登山の準備にかかります。

 まずは薬師峠の水場。

 氷水の様に冷たい水がコンコンと湧き出ています。実に美味しい。
 
 2リットルのストリーマに水を満タンにします。


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 そして、トイレ。

 男女別の、思ったよりも立派なトイレです。
 
 しかし、この時間はまだ綺麗だったのですが、この後宿泊者が増え、夕方から翌朝にかけてみるみるうちに汚くなっていくのでした(笑)
 
 管理される方々のご苦労に感謝です。


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【12時25分】
 大型ザックをテントにデポし、小型のザックに水と行動食のみを詰めた後、ようやく薬師岳へ向かって出発です。

 序盤は少々水の流れている所もある、枯れ気味の沢を登って行きます。
 枯れ気味とはいえ、川に並行して登って行くため、途中に渡河地点も有ったりしますので、足元に注意です。


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 その後は川から離れていき、大きな岩場の続く登山道へと変わっていきます。

 幸いこの二日間は雨も降らず岩場も乾いていたため安心して昇り降りが出来ましたが、濡れていたらちょっと怖そうな感じです。 


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 また、途中には雪渓も残っており何人かの登山者の方が雪渓登りを楽しんでいました。

 雪渓の端からはコンコンと雪解け水が流れてきておりました。
 登山道に流れていたのはこの水だったのか~


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【12時55分】
 薬師平に到着
 
 綺麗な木道が整備されていて歩きやすくなります。

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 そして、風景もまさに平。

 背の低い高山植物が所狭しと伸びてきています。綺麗なところです。


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 薬師平を越えた以後は、岩場も無くなり、木々も低くなって、周囲の開けた気持ちの良い道程となります。

 しかし生憎雲が出ており、近場の景色しか眺めることは出来ませんでしたが。 


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【13時40分】
 標高2,710メートル、薬師平山荘に到着。
 
 ここも綺麗な山荘です。

 軽く行動食を摂って先へと急ぎます。


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 以後は山頂まで、吹き晒しのさえぎる物もない広々とした登山道が続きます。

 いや~改めて歩いてみると、本当に薬師岳って大きいなぁ。

 以後は、周囲に草木も無く、砂利や石が敷き詰められたような状態の登山道へと変化していきます。

 しかし、う~んこれも高山病なのかな?
 高度が上がってきてからいまいち体の動きが悪いような気がします。


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【14時20分】
 薬師岳東南稜到着。

 避難小屋と、愛知大学遭難の慰霊碑が目に入ってきます。

 避難小屋は屋根が抜けており、風をしのぐことが出来る程度でしょうか。


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 東南稜の尾根を眺めます。

 実に立派な尾根道に見えてきます。
 確かにこれなら視界が悪いときに迷い込んでしまっても不思議はありませんね。


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 そしていよいよ山頂が見えてきました。
 
 雲が多く、周囲の景色はあまり見えませんが近場の視界までは奪われなかったのが幸いでした。


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 登山道の下を眺めれば、雄大なカールが広がっています。

 見ているとなんだか吸い込まれそうです。


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 山頂まであと少し。

 すでに、人の姿も見て取れます。


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 そして、妙な鳴き声がすると思ったら、ライチョウを発見。

 こんな高所にも生息しているんだ・・・


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【14時40分】
 ついに薬師岳山頂に到着!!

 薬師峠から、2時間。そして早朝に折立登山口を経ってから実に8時間が経過していました。

 疲れたけど、実に心地よい。
 山頂では幾人もの登山者の方が休憩しており、更には幾人かの方がさらに先へと縦走して行きます。


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 そして、第3のビールで一人祝杯をあげることにします。

 美味い!!疲れた体に染み渡るようです。
 
 凍らせて持ってきていたビールですが、程よく溶けており、ややもすればぬるいくらいですが、何とかこの時間まで冷たさを維持していてくれました。

 荷物としては重たいものですが、泊まりならではの贅沢ですね。


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 しかし残念ながら相変わらず視界は良くありません。
 
 北薬師岳がかろうじて見える程度でしょうか。


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 そして読売新道方面を眺めれば、背後に薄らと見えるのは赤牛岳かな?

【15時】 
 30分ほど山頂で過ごしましたが、待っていても、雲が晴れることも無く更に下かモクモクと登ってくるため、展望は諦めて下山を開始します。

 まあどうせ、また早朝に来るつもりなので、今のところは引き返すとしましょう。
 

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 お腹もすいたので、速やかにテント場へと向かいます。

 それでも下っている間の景色も実に美しい。

 山頂かと見まごうような雄大な東南稜。

 遠くの視界は悪いのですが、近場の薬師岳自身の美しさも実にすばらしい。

  
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【16時】
 下山完了。

 色とりどりのテントが倍増しています。

 賑やかだなぁ~。とても2千メートル以上の高地にいるとは思えないや。


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 太郎小屋の出張所で、テント場の受付を済ませて、再びビールで乾杯。
 
 汗もかいたし実にうまい

 ちなみに350缶で500円、500缶で700円です。
 
 どうせお金を使うところも無いので、ビールくらいがぶ飲みしてやります。

 結局350缶2本と、500缶2本を購入して晩御飯と一緒に飲みつくしてやりました。


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 一杯ひっかけた後は、晩御飯の準備に取り掛かります。

 早くしないと暗くなってしまいますからね。

 山賊さんのテントへお邪魔すると、丁度夕食の支度をしておられたようで、夕食一緒にすることとなりました。

 山賊さん作成のかまどを使わせてもらい、私も晩御飯の作成に取り掛かります。


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 さて、今晩のメニューはこれ。

 『すき焼き』です。

 どうせ1泊しかしないので、出来るだけ多くの荷物を上げる練習をしようと色々余計な物を持ってきた結果、夕食も変わったものにチャレンジしてみました。


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 凍らせて持ってきた『肉』も、ちょうど良い頃合いに解凍されています。

 400グラム持ってきたので山の様に有ります(笑)

 一人で食べるのは少々苦しい。

 山賊さんや、テント場でご近所になった方に味見などをしてもらいます。


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 そして、当然生卵も持参。

 卵が割れない便利な容器に入れて持ってきました。


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 溶き卵と共に食べるすき焼き。

 実にうまい。ビールが進みます。

 標高2千メートルのテント場で食べる物とは思えないような代物ですが、疲れた体に肉は最高ですね!!
 
 少々量が多かったですが、腹いっぱいになるまで堪能しました。


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【18時】
 その後は山賊さんともお別れして、まだ明るいのですが下界より持参していた第3のビールを飲みながら早々と就寝の準備に取り掛かります。

 う~ん。まだ眠くないが、起きていてもすることもない(笑)


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 次第に薄暗くなっていく中、自分の城に引きもり、ビールをちびちびと飲みながら、かろうじて電波を受信するラジオを聞きつつ、シュラフを座布団代わりに寝っころがってダラダラと過ごします。

 ああ・・・なんて優雅な時間。

 ちなみにランタンは、キャッツアイHL-350です。
 初めてランタンとして使用してみましたが、一人用のテントであれば、まあ使える光度です。

 ランタンのカバーを外せば懐中電灯としても使えるので便利なのですが、もう少し明るくないと細かいものが見えにくいですね。

 今度、何かテン泊用のランタンでも探してくるかな。
 

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【19時半】
 周囲もすっかり暗くなり始めた頃、トイレに行こうと起きてみればテント場は実に幻想的な空間へと変貌していました。

 内部から照らされた色とりどりのテントがまるで祭りの提灯のように輝いています。

 何だろう。まるで異空間にいるようです。

 人口ゼロの薬師岳の麓に、突如テントでできた村が出来ており、実に賑やかな世界が広がっています。

 しばらく自分のテントに戻ることも忘れて、周囲の闇がより深くなるまで、この幻想的な光景を眺めていたのでした。

 以後2日目へと続きます。


 それでは今回はこのへんで

OKI

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