剱岳『早月尾根~剱沢ルート』【後編】
剱岳
さて今回は前回の続き。
これまでの剱岳の登り方と趣向を変えて、テントを背負って馬場島から、北アルプス三大急登早月尾根を越えた後に、剱沢キャンプ場で一晩を明かして室堂より下山するルートです。
日帰の強行ばかりでは無く、一泊でゆったりと剱岳を眺めたいと思って登ったものの、想像以上の労力を費やして、何とか剱岳山頂へとたどり着いたのが前回まで。
そして・・・

【14時40分】
山頂での休憩もそこそこに、疲れた身体を奮い立たせて剱沢方面へと下降を開始し、前剱への急な岩場を進みます。
しかし刺々しい岩場ばかりだなぁ。
本当にこんなところから降りるの?

そしてすぐに鎖場が始まります。
ここが有名なカニのよこばいですね。

出だしはどうということはなかったカニのよこばいですが、しばらくして有名な、最初の足場の見えない、崖っぷちの岩場に張り付く箇所にやってきました。
今回、これを体験したくてここまで来たという気持ちも有りましたので、疲れていましたがワクワクしながら通ります。

この箇所の通り方は、いろんなブログなどで紹介されているので割愛ですが、最初の一歩を右足で降りて、鎖につかまり岩場に張り付いてみれば本当に下は切れ落ちた空間であり、なかなかにスリルがあります。
しっかり慎重に歩を進め、無事にクリアしました。

そしてもう一つ有名な下の見えない鉄梯子。
こちらのほうが怖いですね。
梯子につかまって、降りる体制になるために体の向きを入れ替えるまでがなかなかに緊張します。
これは流石に降りながら写真を撮る気にはなりませんでしたね。
慎重に三点支持で降りていきます。

降りた先には公衆トイレ。
こんな場所にトイレ?ですが、梯子で渋滞したときなんかもよおして来たら大変でしょうからね。
ありがたい話です。

左手を見れば見事な斜面。
これが平蔵谷と言うやつかな。

そして行く先はまだまだ険しい。
垂直に近い岩場をいくつも登り降りします。
元気だったら楽しいんだけどな・・・

これも有名な平蔵の頭。
鎖につながって、ヒイヒイ言いながら登ります。
道のりには、鎖場がいくつもありましたが、疲労のため面倒になって数えるのをやめました。

振り返ってみればこれまたすごい岩塊。
こんな所を下ってきたのか。
まるで針の山です。
う~ん・・・
明日もう一度剱沢から登ろうなんて思っていたけれど、もはやとてもそんな気持ちは消え去りました(笑)

また、前剱までの道のりは、鎖場以外も険しい道のりがしばらく続きます。
なかなか気を抜けません。

それでも、前剱山頂に近づくに従い、次第に刺々しい岩場も少なくなり、土も見え始めるなど、少し一息つける区間も現れます。
しかし、この先もまだまだ険しいアップダウンが続くのですけどね。

【15時半】
日も傾き始めた頃、前剱山頂に到着。
大きなケルンが出迎えてくれます。
久しぶりの平坦な山頂で人心地つきますが、目指す剱沢まではまだまだ有るため、暗くなる前にゴールするために速やかに先へと進みます。

少し歩いたところで、燕岳で見たようなイルカ岩を発見。
ここには一匹だけか。

下を見れば、剱沢までまだまだ遠い。
剱岳の山頂から見ていたよりも、思った以上に遠い。
小さい粒のように色とりどりのテントが張られているのが見て取れます。

その後も疲れた体にムチ打って、一服剱へと歩き続けて・・・

【17時】
一服剱山頂直下の展望台に到着。
ああここも大きな谷で綺麗です。
ここが武蔵谷って言うのかな?

振り返れば、前剱からここまでの道のりが一望。
ほんとに岩に張り付いて歩くような道のりだったのだな。

とりあえず、後は岩のゴロつく急な下りをクリアするだけです。
つい数時間前まで絶望的に遠くに見えたキャンプ場がようやく射程距離に入りました。

【17時半】
想像以上に苦しかった最後の下りを歩き切って、まずは剣山荘に到着しました。
正面のテラスでは多くの登山者が、夕暮れに色づく山々を眺めていました。
いいなぁ・・・早くゆったりしたいよ。

しかし、剣山荘から剱沢までがこれまた地味に遠い・・・
平地なのがうれしいけれど、もはや足が痛い。

そして、剱沢には未だ多くの雪渓が残っており、剱澤小屋手前でも雪渓を越えていきます。
8月の真っただ中まで雪が残っているとはすごいものです。
おかげで水が豊富なのでしょうけれど、夜のテント場はものすごく寒かったのでした。

【18時】
ようやく剱澤小屋に到着。
つ~か~れ~た~
朝6時に馬場島を出発してからまる12時間歩きっぱなしでした。
すっかり太陽も山々の陰に隠れてしまいましたが、ようやく一息つけます。

とりあえず小屋の売店でビールを購入。
剱岳に乾杯!!
冷えたビールが美味いけど寒い(笑)

しかし、テント場は小屋から結構離れていて、しかもこの坂道を乗り越えていかなければなりません。
う~ん
もはや気持ちの切れた状態でこの道のりはきつい。
しかも片手に封の空いたビールを持っている(笑)

【19時】
その後、何とかテントを張って、晩御飯の支度を済ませれば周囲はすっかり薄暗くなり始めてきました。
暗くなる前に全て済ませることができてよかった~。
広大な剱沢キャンプ場には多くのテントがありますが、まだまだ余裕があります。
広すぎて、夜中トイレに行こうとしたらどこにトイレがあるのかわからず苦労しました。
そしてこの夜は、月がありましたが満天の星空も見られたものの、本格的に真っ暗になる前に、疲れ果てた私は写真を撮る気にもならずにテントでシュラフに包まってひたすら眠りをむさぼっていたのでした。
今回も1インチカメラのキャノンG9Xマーク2を持って来ており、星空を撮影しようと思っていたのですが、なかなかうまくタイミングに恵まれませんね。

でも妖怪ウオッチはちょっとだけしました(笑)
俗世間に毒されています。
剱沢は何とか電波がつながりましたが、2・3回バトルしたのち気を失うように眠りについたのでした。

【明けて19日 6時】
周りが夜明け前の3時ごろよりざわつく中、ゆっくりと目を覚まし朝の空気を吸い込みます。
夜中の寒さで何度か目を覚ましましたが、結局5時近くまで眠り続けたのでした。
朝日に照らされた剱岳が美しい。
でもやっぱりもう一度登り返す気にはならんな(笑)
大人しく下山することにします。

【6時半】
出発
広大なテント場も、昨晩に比べて数は半減していますがまだまだ多くのテントが残っています。
ここに荷物をデポして、剱を堪能している人たちでしょうね。
羨ましいです。

キャンプ場を後にします。
剱岳の上にたなびく雲と青い空
そして色とりどりのテントが織りなす光景は芸術的です。
結構寒くて、おまけに慌ただしかったけれどいい夜でした。
今度はもっとゆったりとテント泊を堪能したいものです。

その後、まずは剱御前小屋を目指して美しいカールの中を歩きます。
広くて穏やかで、美しいカールです。

【7時20分】
剱御前小屋に到着。
朝ですが、既に多くの登山者でにぎわっています。

振り返ってみれば、剱岳がもうあんなに遠くなっていました。

そしてこれから向かう、雷鳥沢や、室堂を見下ろします。
これも色とりどりで美しい光景です。
でもやっぱり遠いなぁ。
一晩くらいでは疲労しきった足は回復せず、下りはともかく、登りでは全然スピードに乗れないので難儀しそうです。

それでも雷鳥沢に向かって下りだせば、今度は見事な立山と浄土山。
近くて、ものすごい大きなスケール感です。

【8時20分】
長い下りに苦労しながら、ようやく雷鳥沢へ。
ここも多くのテントでにぎわっています。
明日は平日ですが、今も続々とテントを張りにやってくる人がいます。
やはり、にぎやかなテント場なんでしょうね。

その後、終わった足には地獄の雷鳥坂の階段を何とか登り切り、立山が映り込むみくりが池を眺めて。

かすかに姿を見せる剱岳に最後の別れを告げます。
しかし室堂の景色の穏やかなことといえば、昨日からの強行軍からは想像も出来ませんね。
別世界です。

【9時】
室同ターミナルに到着しました。
ここも多くの人でにぎわっています。
これから立山にでも登るのでしょうね。
小学生の団体はいるかな?懐かしいなぁ~・・・
この後、速やかにバスに乗り込み、バスやケーブルカーといった文明の利器を利用して帰路へ着いたのでした。
馬場島に停めた車の回収までがなかなか大変でしたが、それはまた別のお話(笑)
苦労しましたが、テントを持っての登山はやはり楽しいですね。
でも、4年ぶりの早月尾根でしたが、またもうしばらくはいいかな?(笑)
それでは今回はこのへんで。
これまでの剱岳の登り方と趣向を変えて、テントを背負って馬場島から、北アルプス三大急登早月尾根を越えた後に、剱沢キャンプ場で一晩を明かして室堂より下山するルートです。
日帰の強行ばかりでは無く、一泊でゆったりと剱岳を眺めたいと思って登ったものの、想像以上の労力を費やして、何とか剱岳山頂へとたどり着いたのが前回まで。
そして・・・

【14時40分】
山頂での休憩もそこそこに、疲れた身体を奮い立たせて剱沢方面へと下降を開始し、前剱への急な岩場を進みます。
しかし刺々しい岩場ばかりだなぁ。
本当にこんなところから降りるの?

そしてすぐに鎖場が始まります。
ここが有名なカニのよこばいですね。

出だしはどうということはなかったカニのよこばいですが、しばらくして有名な、最初の足場の見えない、崖っぷちの岩場に張り付く箇所にやってきました。
今回、これを体験したくてここまで来たという気持ちも有りましたので、疲れていましたがワクワクしながら通ります。

この箇所の通り方は、いろんなブログなどで紹介されているので割愛ですが、最初の一歩を右足で降りて、鎖につかまり岩場に張り付いてみれば本当に下は切れ落ちた空間であり、なかなかにスリルがあります。
しっかり慎重に歩を進め、無事にクリアしました。

そしてもう一つ有名な下の見えない鉄梯子。
こちらのほうが怖いですね。
梯子につかまって、降りる体制になるために体の向きを入れ替えるまでがなかなかに緊張します。
これは流石に降りながら写真を撮る気にはなりませんでしたね。
慎重に三点支持で降りていきます。

降りた先には公衆トイレ。
こんな場所にトイレ?ですが、梯子で渋滞したときなんかもよおして来たら大変でしょうからね。
ありがたい話です。

左手を見れば見事な斜面。
これが平蔵谷と言うやつかな。

そして行く先はまだまだ険しい。
垂直に近い岩場をいくつも登り降りします。
元気だったら楽しいんだけどな・・・

これも有名な平蔵の頭。
鎖につながって、ヒイヒイ言いながら登ります。
道のりには、鎖場がいくつもありましたが、疲労のため面倒になって数えるのをやめました。

振り返ってみればこれまたすごい岩塊。
こんな所を下ってきたのか。
まるで針の山です。
う~ん・・・
明日もう一度剱沢から登ろうなんて思っていたけれど、もはやとてもそんな気持ちは消え去りました(笑)

また、前剱までの道のりは、鎖場以外も険しい道のりがしばらく続きます。
なかなか気を抜けません。

それでも、前剱山頂に近づくに従い、次第に刺々しい岩場も少なくなり、土も見え始めるなど、少し一息つける区間も現れます。
しかし、この先もまだまだ険しいアップダウンが続くのですけどね。

【15時半】
日も傾き始めた頃、前剱山頂に到着。
大きなケルンが出迎えてくれます。
久しぶりの平坦な山頂で人心地つきますが、目指す剱沢まではまだまだ有るため、暗くなる前にゴールするために速やかに先へと進みます。

少し歩いたところで、燕岳で見たようなイルカ岩を発見。
ここには一匹だけか。

下を見れば、剱沢までまだまだ遠い。
剱岳の山頂から見ていたよりも、思った以上に遠い。
小さい粒のように色とりどりのテントが張られているのが見て取れます。

その後も疲れた体にムチ打って、一服剱へと歩き続けて・・・

【17時】
一服剱山頂直下の展望台に到着。
ああここも大きな谷で綺麗です。
ここが武蔵谷って言うのかな?

振り返れば、前剱からここまでの道のりが一望。
ほんとに岩に張り付いて歩くような道のりだったのだな。

とりあえず、後は岩のゴロつく急な下りをクリアするだけです。
つい数時間前まで絶望的に遠くに見えたキャンプ場がようやく射程距離に入りました。

【17時半】
想像以上に苦しかった最後の下りを歩き切って、まずは剣山荘に到着しました。
正面のテラスでは多くの登山者が、夕暮れに色づく山々を眺めていました。
いいなぁ・・・早くゆったりしたいよ。

しかし、剣山荘から剱沢までがこれまた地味に遠い・・・
平地なのがうれしいけれど、もはや足が痛い。

そして、剱沢には未だ多くの雪渓が残っており、剱澤小屋手前でも雪渓を越えていきます。
8月の真っただ中まで雪が残っているとはすごいものです。
おかげで水が豊富なのでしょうけれど、夜のテント場はものすごく寒かったのでした。

【18時】
ようやく剱澤小屋に到着。
つ~か~れ~た~
朝6時に馬場島を出発してからまる12時間歩きっぱなしでした。
すっかり太陽も山々の陰に隠れてしまいましたが、ようやく一息つけます。

とりあえず小屋の売店でビールを購入。
剱岳に乾杯!!
冷えたビールが美味いけど寒い(笑)

しかし、テント場は小屋から結構離れていて、しかもこの坂道を乗り越えていかなければなりません。
う~ん
もはや気持ちの切れた状態でこの道のりはきつい。
しかも片手に封の空いたビールを持っている(笑)

【19時】
その後、何とかテントを張って、晩御飯の支度を済ませれば周囲はすっかり薄暗くなり始めてきました。
暗くなる前に全て済ませることができてよかった~。
広大な剱沢キャンプ場には多くのテントがありますが、まだまだ余裕があります。
広すぎて、夜中トイレに行こうとしたらどこにトイレがあるのかわからず苦労しました。
そしてこの夜は、月がありましたが満天の星空も見られたものの、本格的に真っ暗になる前に、疲れ果てた私は写真を撮る気にもならずにテントでシュラフに包まってひたすら眠りをむさぼっていたのでした。
今回も1インチカメラのキャノンG9Xマーク2を持って来ており、星空を撮影しようと思っていたのですが、なかなかうまくタイミングに恵まれませんね。

でも妖怪ウオッチはちょっとだけしました(笑)
俗世間に毒されています。
剱沢は何とか電波がつながりましたが、2・3回バトルしたのち気を失うように眠りについたのでした。

【明けて19日 6時】
周りが夜明け前の3時ごろよりざわつく中、ゆっくりと目を覚まし朝の空気を吸い込みます。
夜中の寒さで何度か目を覚ましましたが、結局5時近くまで眠り続けたのでした。
朝日に照らされた剱岳が美しい。
でもやっぱりもう一度登り返す気にはならんな(笑)
大人しく下山することにします。

【6時半】
出発
広大なテント場も、昨晩に比べて数は半減していますがまだまだ多くのテントが残っています。
ここに荷物をデポして、剱を堪能している人たちでしょうね。
羨ましいです。

キャンプ場を後にします。
剱岳の上にたなびく雲と青い空
そして色とりどりのテントが織りなす光景は芸術的です。
結構寒くて、おまけに慌ただしかったけれどいい夜でした。
今度はもっとゆったりとテント泊を堪能したいものです。

その後、まずは剱御前小屋を目指して美しいカールの中を歩きます。
広くて穏やかで、美しいカールです。

【7時20分】
剱御前小屋に到着。
朝ですが、既に多くの登山者でにぎわっています。

振り返ってみれば、剱岳がもうあんなに遠くなっていました。

そしてこれから向かう、雷鳥沢や、室堂を見下ろします。
これも色とりどりで美しい光景です。
でもやっぱり遠いなぁ。
一晩くらいでは疲労しきった足は回復せず、下りはともかく、登りでは全然スピードに乗れないので難儀しそうです。

それでも雷鳥沢に向かって下りだせば、今度は見事な立山と浄土山。
近くて、ものすごい大きなスケール感です。

【8時20分】
長い下りに苦労しながら、ようやく雷鳥沢へ。
ここも多くのテントでにぎわっています。
明日は平日ですが、今も続々とテントを張りにやってくる人がいます。
やはり、にぎやかなテント場なんでしょうね。

その後、終わった足には地獄の雷鳥坂の階段を何とか登り切り、立山が映り込むみくりが池を眺めて。

かすかに姿を見せる剱岳に最後の別れを告げます。
しかし室堂の景色の穏やかなことといえば、昨日からの強行軍からは想像も出来ませんね。
別世界です。

【9時】
室同ターミナルに到着しました。
ここも多くの人でにぎわっています。
これから立山にでも登るのでしょうね。
小学生の団体はいるかな?懐かしいなぁ~・・・
この後、速やかにバスに乗り込み、バスやケーブルカーといった文明の利器を利用して帰路へ着いたのでした。
馬場島に停めた車の回収までがなかなか大変でしたが、それはまた別のお話(笑)
苦労しましたが、テントを持っての登山はやはり楽しいですね。
でも、4年ぶりの早月尾根でしたが、またもうしばらくはいいかな?(笑)
それでは今回はこのへんで。
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