初めてのテン泊登山をしてきました『後編』 【薬師峠から北ノ俣岳へ】

薬師岳
08 /15 2013
 さて、今回は前回からの続き。
 
 8月10日(土)に薬師峠でキャンプを張り、翌8月11日(日)に再び薬師峠から、ご来光を眺めるために再び薬師岳の山頂に立ち、その後は富山県と岐阜県の境界にそびえる【北ノ俣岳】をその日の最終目標とした山行を行ってきました。


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【3時】
 昨日気合充分にテントに潜り込んだまでは良かったのですが、結局なかなかぐっすりとは寝付けずに周囲の喧騒にて完全に目が覚めました。

 この初めてのテン泊は、シュラフに入れば暑く蒸れを感じ、出れば肌寒くて寝られず、おまけにタオルを引いただけの床からは地面からの冷気が時間とともに体に伝わってくるなど、対策が不十分な点が数多く発見されました。

 そして、一日大汗をかいた自分が想像以上に臭い(笑)

 次の活動の際の課題が見えてきましたね。

 さて、周囲の学生と思われるテントからは、午前2時過ぎにはもう活動を始めており、山の活動開始の早さが窺い知れます。

 寝苦しい空間に我慢することも限界に感じ、どうせ寝られないならと、私も活動を開始することとしました。

 暗闇の中でうごめくヘッドライト。

 そして空には満天の星空が広がっています。

 私のデジカメでは残念ながら綺麗に撮ることが出来ませんでしたが、今日の晴天を予感させるものでした。
 

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【3時50分】
 昨日の行程で、結構疲労を感じていたので、昨日の時点では中止して、朝までぐっすり休もうかと考えていましたが、結局再び薬師岳山頂より、ご来光を眺めるために登山を開始しました。

 でも今の時間からでは、ちょっと山頂でのご来光は厳しいかな・・・

 しかし、もっと多くの人が登るものかと考えていましたが、ほとんど登ってきません。
 流石に登山道は暗くて不気味でちょっと心細い感じです。


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【4時50分】
 薬師平山荘に到着です。
 
 当然山荘の人々も活動を開始しています。

 ちなみに、今朝は昨日とは異なり非常に足取りが軽い。
 一晩休憩したおかげか、はたまたいわゆる高度順応と言うものが出来たおかげなのかもしれません。


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 満天の星空であった為、雲一つない景色が広がっているのかと思いましたが結構雲が広がっていました。

 しかし標高2,700メートルを超えた稜線からは雲の上に出て、昨日とは異なり高山たちの頂が垣間見ることが出来ました。

 綺麗だなぁ・・・幽玄という言葉が良く似合います。

 やはり早起きして登ってきてよかった。


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【5時20分】
 南東稜に登り切って、東の空を見渡せるようになった頃には当に日は登り切っていました。

 少々残念でしたが、高山の上で眺める、登ったばかりの朝日の美しさは十分に素晴らしいものです。


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 朝焼けに照らされる、薬師岳山頂方面。


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 そして、東南稜方面と背後の山々の姿。

 しびれますね。


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【5時半】
 再び薬師岳山頂に到着です。

 ここまで幾人かの人を追い越し、また下山される方とすれ違いましたが、日の出が終わったら引き上げていった人も多いのか、山頂は閑散としています。

 早朝の静かな山頂も良いものです。

 しばらく山頂からの景色を堪能しましたが、次第に雲が登ってきて、遠くの山々は隠されていったため、キャンプ場への下山を行いました。

 そう、今日はこれからテントも撤収して、もう一山登って折立まで帰還しないといけないのです。

 さよなら薬師岳。またいつかやってくるよ~


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 薬師岳からの下り道。

 次第に太陽の光が差し込めてきており、天候が回復する兆しが感じられてきました。

 薬師岳での展望がいまいちだったのは残念でしたが、日光に映える緑の美しさを眺めながら次の道のりへの期待に胸が膨らみます。


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【6時50分】
 薬師峠に帰還します。

 この頃には大量にあったテントたちも半分は撤収しており、あの夜の賑やかさがまるで夢だったかのようです。

 山賊さんもテントの撤収にかかっておられましたが、生憎の曇り空の為か、夜露で湿ったテントが乾かなくて苦労しておられるようです。


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 私も当初の予定より大分時間が押しており、速やかに撤収の準備にかかります。

 テントは夜露でまだびしょびしょの状態です。

 次第に天候が回復して、太陽の光りが差し込んで来ておりましたが、とりあえずタオルで拭いて、広げて乾かしにかかります。

 その間に山賊さんは、次の目的地へと旅立っていかれました。

 お世話になりました。この先もお気をつけて~


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 テントを乾かすと同時に、朝食も併せて摂ることとします。

 今日の朝食は、アルファ米と、レトルトカレーとチーズ入り肉団子を合わせた肉団子朝カレーです。

 やはり肉と米を食べないと力がでないな。

 だんだんと日差しの強くなる中、辛口カレーを汗を拭きながら食します。


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【8時50分】
 そうこうするうちにテントも乾き、撤収も完了して出発の準備が整いました。

 予定より1時間は遅れているな・・・

 北ノ俣岳まで行こうかどうしようか少々迷いましたが、時間とともに益々青くなって行く空の姿に、もっともっと山の中を歩きたい思いが沸き上がってきます。

 それに加えて社会人にとっては、機会を逃せば山はどんどん遠ざかって行く様な気がします。山は逃げませんが決して待っていてはくれないのです。

 山はいつまでもそこにあるものですが、自分から向かわなければ決して近づいて来てくれるものではありません。



 この様な機会はそうそう無いと改めて決心し、標高2,661メートル、富山県と岐阜県の境界にそびえる、北ノ俣岳山頂へ向かって出発したのでした。

 なお、今回は荷物を背負って歩く練習も兼ねているので、もちろん20キロオーバーのザックを背負っての登山です。


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 いや~しかしますます持って天候は良くなってきています。
 
 周囲の緑は一層映えて、景色を眺めて歩いているだけで気分は高揚していきます。


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【9時15分】
 太郎小屋に到着。

 相変わらず多くの登山者でにぎわっていますが、この時間帯なら宿泊者が大半を占めているのでしょうか?


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 太郎小屋からは立派な長い、木道区間が多くなります。

 薬師沢との分岐点に到着。

 必ずここを、私も左に向かってみせるぞ!!


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 とは言ったものの。

 木道が次第に登り基調になってくると、一気に足取りが重くなってきます。

 馬鹿な・・・先ほどの薬師岳ではまるで羽の様だった身体が・・・
 
 20キロのザックが想像以上に重く感じます。

 取り合えずめげずに登り続けて太郎山山頂の分岐点を見つけたため、ちょっと寄り道を致します。


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【9時25分】
 標高2,373メートルの、太郎山山頂。

 やった。まだ100メートルほどしか登っていないけれども、山頂に立つのはいいものです。

 ちょっと満足して、さらに先へと進みます。


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 しばらくは木道と、土の登山道が入れ替わるような、歩きやすい道程が続き、いよいよ北ノ俣岳が眼前に迫ってきます。

 あれが北ノ俣岳か・・・何というか、緑の多い山だな。といった印象です。

 平野から見るのと、全然形が違って見えています。

 しかし、この北ノ俣岳へと向かう道のりの方角は、立山でも、薬師でも、剱でもない。

 私にとってまさに初めての未知の区間でもあります。

 どんな世界が待っているんだろうと、期待に胸が弾んで来ます。


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 木道が終われば、ガレた岩が転がる登山道が始まります。

 傾斜はさほどではないが、薬師に登った後に、荷物を背負ってのこの道のりはかなり辛い・・・


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 しかし景色はますます持って美しくなっていきます。

 すっかり快晴となった薬師岳。


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 薬師峠のキャンプ場も見下ろすことが出来ます。

 まだチラホラとテントの姿が見えますね。


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 そして次第に険しくなっていく登山道。

 岩の粒が大きくて、足首に来ます。

 何が不味いと言えば、靴がまずいような気がしますね。

 重荷を背負った状態では、現在履いている軽トレッキングシューズである、ジャスパーキャニオンGTXでは、ソールも足首のホールドも柔らかいがために、直に衝撃が来て足の裏や、足首に段々と負担がかかってきました。

 これもまずい。
 何か対策を講じないと、足首がいかれてしまうことでしょう。


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 ですが、景色はますますもって美しくなっていきます。

 これまでに見たことの無い様な角度から、北アルプスを眺めることが出来ました。
 
 そして当然のことながら距離も近いため、見える色あいも非常に美しいものです。


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 水晶岳

 荒々しい稜線がひときわ目を引きます。

 黒岳とも言われるようで、確かに黒い。


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 そして赤牛岳。

 なるほど。のっぺりとして、赤い土色の着いた牛のようです。


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 そして、雲ノ平方面。

 ひたすらに広がる緑の大地。

 あの草原の向こうには何が待っているのだろう・・・

 いつか必ず行ってやるぞ!!


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【10時40分】
 その後、2,576メートルのピークも過ぎ、山頂まであと少しとなりました。


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 そして、見た目は近いながらも思ったよりも遠い山頂までの道のりを歩きづづけてて・・・

 ついに見えた!!


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【11時】
 薬師平から登り始めて、およそ2時間。

 ついに今日の最終目的地、北ノ俣岳の山頂に立つことが出来ました!!

 この激重いザックを背負っての初の山頂走破です。

 なだらかな山頂には黒部五郎岳方面から歩いておられたと思われる登山者の方々が数組休憩しておられました。


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 山頂からの景色は、今まで見てきた山々の山頂からの景色と異なり、山脈の中の一山頂からの景色といった風で、これまでに見たことのない、特別な雰囲気に感じられます。 


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 そして、この先の黒部五郎から、三俣蓮華山方面へと続く道程を眺めます。

 いいなぁ~。まだ見ぬ秘境へと、必ず行ってみようと思います。
 

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 そして背後を振り返れば、初めて眺める岐阜県方面の山脈の姿。

 今まさに、私は県境に立っている・・・感動的です。

 そして下方には、北ノ俣からの稜線から延びる神岡新道がはっきりと見て取れます。


【11時10分】
 あまりに美しい景色をいつまでも眺め、さらに奥地へと進みたいところでしたが、もうそろそろ本気で帰らないといけない時間帯へとなってきました。

 名残惜しいながらも下山を開始します。


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 お花畑が広がる美しい大地を、これまた青空に映える山々の山頂を眺めながら下山を開始します。


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 途中で今日も雷鳥に遭遇。ラッキー。

 今日のは頭に赤い星印があるのが見て取れます。


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【12時20分】
 再度太郎小屋に到着です。

 下りながら、薬師岳の麓の平らの中にある小屋の姿はこれまた美しいものでした。


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 多くの方が休憩する太郎小屋。

 さて、お腹もすいたので太郎小屋名物行者ニンニク入りのラーメン大を頼みます。

 味はまずまずですが、やはり行者ニンニクが美味しい。

 スープも全部飲みきって、後は折立へと下って、はるか下界の我が家へと帰るのみです。


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【13時】
 太郎小屋から折立へと下山開始します。

 昨日は雲に覆われて判りませんでしたが、この道のりも実に美しいものです。
 

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 さようなら薬師岳。

 とても楽しかったよ~


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 そしてさようなら北ノ俣岳。

 初めて見る角度からの山々の風景が今でもまだ目に焼き付いています。

 そして、この角度から見る風景が、いつもの平野から眺める北ノ俣の形でした。

 やはり、山って見る角度で全然違って見えるんだなぁ・・・


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【15時20分】
 太郎小屋を出発してからおよそ2時間半後。

 じりじりと照り付ける日差しの下、20キロを超えるザックを背負い、岩の転がるガレた登山道と、その先の樹林帯の段差に足首に不安を感じながらも、何とか折立登山口に帰り着くことが出来ました。

 いやあ長い道程でしたが、下山にかかった時間が思った以上に少なく、予定していた時間に下山することが出来ました。


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 まずは自販機でコーラ。
 
 一気に飲み干してしまいました。。。

 もう一缶位飲みたいのですが、残念ながら自販機のおつり切れにより、もう小銭が無いので買うことができません(笑)


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 あとは、駐車場までトボトボ歩き続けます。

 日曜の午後ですが、駐車場はもとより、路肩にもまだまだ多くの車が残っており、この週末の北アルプスの山々の盛況ぶりが窺い知れます。


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 その後、無事に車へとたどり着き、帰宅の準備を済ませて一路帰路へと着きつつも、途中寄道して有峰湖を眺めてから帰ることとします。

 まだ夏であり、水量豊富な有峰湖。実に綺麗です。
 
 山の中は、本当にどこを撮っても素晴らしい。。。満足して、疲労の余韻と共に、帰路へと就いたのでした。

 さて、今回は初めてのテントを使った一泊の山行を行い、無事に最後までやり遂げることが出来ました。

 その道のりの間には、想像していた以上に美しい風景と充実した濃密な時間を過ごすことが出来ました。
 
 やはり、山は良い・・・今回練習と経験を積んだわが身は、今度はより深くまで入り込んで行きたいと思います。


 それでは今回はこのへんで
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コメント

非公開コメント

ふぅ...
思わず無事に下山ができたところで息をついてしまいました(笑)
記事になされているのですから生還されているのは理解していますが、ドキドキしながらの一気読みです。

引き込まれるような展望..魅力がありますね、、

でも、『今回は練習』これで練習とは..ヒェ~

Re: タイトルなし

chief様
ありがとうございます。

なるべく初心者向きのテント場はどこだろうと考えた挙句の薬師峠でのテン泊登山。
まずまずの結果であったと思います。

山の風景は本当に異世界ですね。天候も良くなって最高の道のりでした。

次はやはり、もう1・2泊を加えて更なる奥地へと足を踏み入れてみたいと思っています。

 なるべくローリスクの8.9月くらいしか山で泊まりをしようなどとは考えないはずですので、気を付けて楽しみたいところですね。
 当然山だけではなく、そのうち自転車旅行だってしたいのですが・・・。体が一つでは足りませんね。それとお金も(笑)

OKI

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