日本最後の秘境を歩く 『後編』 【雲ノ平から折立へ】

雲ノ平
09 /28 2013
 前回の続きの9月25日の話となります。
 
 前日、折立から雲ノ平まで登りつめた後、美しい星空を眺めつつも、夜が更けるとともに冷えていく中、テントで一晩を明かしました。

 一体気温は何度だったのだろう?とても寒い夜でした。やはり9月後半の山は油断できないな。


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【5時半】
 空けて翌日。
 
 夜が明けはじめたら、明るくなっていくのはあっという間です。
 
 私は次の行動の予定もなく、今日は帰るのみですので、のんびりとこの時間から撤収にかかりました。

 テント場に7組しかいない登山者達の中には、既に撤収の準備を済ませて出発してしまった方もいらっしゃいました。


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【6時50分】
 テントの撤収が片付いたのち、朝食を摂ります。

 きょうも朝食はアマノフーズのカレーと、シーフードヌードルのリフィルに加えて、湯銭ハンバーグです。

 今日も歩きづめだから、朝はがっつり食べておかないとな・・・

 しかし、フライが濡れていたり、グラウンドシートに土がついていたためとはいえ、テントの撤収に時間をかけ過ぎだな。

 もう少し短縮できるように考えないとな・・・  


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【7時半】
 すべての準備を整えて、いよいよキャンプ場を後にします。

 のんびりとしていたために私がこの朝、最後の雲ノ平キャンプ場の住人となりました。

 貸切状態の静まり返ったキャンプ場。

 まるで昨晩過ごした時間は、夢の中だったかのようです。

 さようなら雲ノ平!!祖父岳!!

 一晩だけだけど、とても楽しかったよ~。

 来年こそはもっとしっかり満喫できるようにしたいものです。


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 そして、一晩正面に佇み続けた黒部五郎岳。

 今朝は雲もなく、午前中は美しい光景を満喫できそうです。


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 さあ、帰るか。

 美しいセルリアンブルーの青空を眺めつつ、再び折立までの長い長い道のりを引き返します。

 ちなみに体調も万全。
 
 昨日到着した時はかなり疲労した状態でした。

 しかし、晩御飯をしっかり食べて、暗くなると同時に床に着くより他にすることもないテント場での生活は、ある意味朝までの時間全てを休息に振り分けることが出来るのでした。

 これなら今日も飛ばしていけそうな感触です。
 午後からは天候も崩れてくるとのことですので、気合をい入れて帰りましょう。


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 キャンプ場からの登り返しを過ぎれば、まさにアルプスの高原といった佇まいの光景と共に、雲ノ平山荘の姿が浮かび上がってきます。

 この朝は、昨日の曇天と異なり抜けるような晴天。
 
 いや~天候次第でこんなにもへ風景の感じ方が変わるものか。いや、体調も有るかな(笑)

 歩いているだけで何だかウキウキしてきますね。


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 ふと左手を向けば、黒部五郎岳が真正面。

 緑と岩と、茶色がかった山肌、そして岩混じりの雲ノ平の草原からのコントラストが見事です。


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 そして、眼前に聳える水晶岳。

 美しい・・・いつかきっとそこまで会いに行くよ~

 今回の旅は、祖父岳、祖母岳にすら登らないと決めた旅としていました。
 
 あくまで雲ノ平までの練習のつもりです。この悔しさをバネにして、お楽しみは次の機会にとっておきます。


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【7時40分】
 雲ノ平山荘に到着。

 ここで昨晩飲んだビールの缶を引き取ってもらいます。
 
 今回一番お金を使ったのが酒代。500ml×800円×5本=4,000円(笑)
 
 しかし、この山荘のテラスからの眺めも素晴らしいものです。


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右に黒部五郎岳に加えて・・・


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 正面には三俣蓮華岳に、笠ヶ岳の姿もその美しい台地と共にくっきりと確認することが出来ます。

 いや~いいねぇ。やはり1泊で帰るのは勿体なさすぎるな。


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 後ろ髪をひかれつつも、帰路につきます。

 昨日は異なり、今日は下り基調の余裕のある行程。

 遥かに広がる美しい雲ノ平を正面に眺めつつ駆け出したのでした。


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【8時】
 奥日本庭園に到着。

 薬師岳を背後から眺めることが出来ました。


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 そして、晴天のこの日ははるか、奥大日岳、剱岳、立山方面もくっきりと見通すことが出来ます。

 いや~素晴らしい・・・テンション上がるなぁ~ 


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 そして赤牛岳。

 こんなに近くに居たのに、昨日は雲で全然見えなかったよ。

 会えてうれしいです!! 


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 そして遥か進行方向を眺めれば、谷の向こうに、太郎平小屋の姿が。

 今からあそこまで帰るのか・・・やはり遠いな。遠くまで来たものだなぁ・・・


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 再び雲ノ平の木道を進みます。

 雲ノ平は山荘付近は草木の背丈も低かったのですが、庭園まで行くと結構な茂みの中をかき分けて進むことになります。


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 そして振り返れば、一際荒々しい稜線が遠目にかすかに見て取れます。

 あれが有名な、槍ヶ岳の北鎌尾根なのかな?

 もっと近くで見に行ってみたい・・・


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【8時15分】
 アラスカ庭園に到着

 もうしばらくすれば、雲ノ平も終わりを迎えて、木道と岩場の混在する登山道が続いた後、先日苦しめられた苔むした岩場の急な下山道を歩くことになります。


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 問題の下山道を小一時間下り続けます。

 苦しい道程ですが、やはり登ることに比べれば遥かに楽な道のりですね。

 今日も数組の登山者の方が登ってこられており、すれ違いざまに、頑張って!声をかける余裕も有ります。


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 最後の鉄梯子を降って・・・


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【9時35分】
 薬師沢山荘へ帰り着きました。

 穏やかな午前の日差しの中、黒部川の清流と共に出迎えてくれました。

 この時間、幾人かの方が、山荘の手前のテラスで出発準備をしている姿を見て取れます。


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 吊り橋の下を流れる清流。

 夏であったら飛び込みたい気持ちにさせられるような澄んだ水です。
 

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 冷た~い!!

 顔を洗ったりしてサッパリします。

 いやぁ。夏にまた訪れたい場所の一つですね。


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【9時45分】
 少々の休憩の後、再び歩を進めます。

 さようなら薬師沢。また来年必ずやってきます。


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【9時55分】
 カベッケ原

 未だ晴天の、気持のよい道程ですが、やはり次第に雲が広がり空の白い部分が多くなって来ました。


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 やや紅葉がかった山の斜面と、様々な種類の木々たち。


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【10時55分】
 その後、いくつかの沢を越え、そして橋を越え、ようやく太郎平まで登りつめる最後の斜面に到達しました。

 雲ノ平からここまでは基本的に下り基調の道のりでしたが、ここから太郎までは最後の過酷な登り区間となります。


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【11時40分】
 疲労した身体に鞭打って、1時間近く急登を登り続けて、ようやく最終チェックポイント、太郎平山荘へ辿り着きました。

 雲ノ平を出発して4時間以上が経過しています。


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 太郎平山荘の広場から、振り返れば、遥か彼方に雲ノ平の台地が見て取れます。

 ああ・・・あそこから歩いてきたんだなぁ・・・

 すっかり雲に包まれて、背後の山々は見て取ることもできません。

 短い時間の逢瀬でしたが、雲ノ平から太郎平までの道のりを思い起こしつつ帰路に就くこととしましょう。


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 さて、流石に行動食のみではお腹が空きました。

 平日の昼であり、数名の登山者のみの、閑散とした山小屋前ですが、無事昼食にありつくことが出来ました。

 今回も行者ニンニク入りの太郎ラーメン大盛りです。

 これから折立まで一気に下山するためには、栄養補給が大切ですからね。

 夏に比べて少々冷たい風が吹く中、汁まで飲んで下山に備えます。


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【12時20分】
 腹ごしらえも済んで、いよいよラストスパート。

 折立へ向かって下山を開始します。

 下界を眺めると、かなり雲も出始めており、中には黒い雨雲のようなものも見えており、雨はともかく雷に打たれてはかなわないので、大急ぎで下山することとします。


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【14時20分】
 幾人かの登山者の方とすれ違いながら、太郎平から2時間で折立に帰り着くことが出来ました。

 雲ノ平から7時間、疲れた・・・しかし下り基調の復路のほうが、往路よりは圧倒的に楽なものですね。

 前回よりも30分以上早いのはやはり、急いだおかげと、新しい登山靴であるザンバランのヴィオーズプラスGTの効果も有るのかもしれません。
 
 自動販売機で、コーラーを飲もうと思ったら、炭酸飲料系の飲み物は全て売り切れの表示が出ていました。残念、有峰文化村にたどり着くまで我慢するかな。


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 有峰文化村でコーラーを買った後、再び有峰湖を眺めます。

 少々霞がかかっていますが。相変わらず美しい湖です。
 ここを眺めると、ああ帰ってきたんだなぁと言った気持ちになりますね。

 さて、この二日間の移動に要した時間ですが。

1日目(往路)
 折立       7時10分
 太郎平山荘    9時55分
 薬師沢山荘   11時40分 
 雲ノ平山荘   14時25分
 雲ノ平テント場 14時50分
 
 往路 7時間40分

2日目(復路)
 雲ノ平テント場  7時30分
 雲ノ平山荘    7時40分
 薬師沢山荘    9時35分
 太郎平山荘   11時40分
 折立      14時20分
 
 復路 6時間50分

 合計15時間近い長丁場となりました。

 やはり、雲の平とは、そう簡単に辿り着けるところでは無いからこその、日本最後の秘境というものなのでしょうね。

 今回は色々と予期せぬ事態が続き、まるでタイムアタックのような慌ただしい山行と相成りましたが、本来はじっくりとその美しさを満喫しつつ楽しむべき場所だと思います。

 次の機会こそは雲ノ平、そして黒部川の源流の風景をのんびりと満喫してみたいと思います。

 まあ、さしあたり今回も無事に帰ってこれたことに感謝ですね。

 
 それでは今回はこのへんで。
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コメント

非公開コメント

お疲れ様でした。
なかなかに自由時間を確保するのは難しいものですね。
それは頼りにされているということで我慢を(笑)

どの峰の画も美しいですが『水晶岳』..
なにか別格の美しさがあります。
綺麗です。

あぁ、山は良いです(登ったことないけど..)

Re: タイトルなし

chief/MMR様

ありがとうございます。
 今年最後のテント泊と、満を持しての今年の山の集大成のつもりで待ち望んだ連休でしたが、なかなか思い通りにはいかないものです。
 まあ、確かに必要とされるうちが花ですので、今年は我慢ですね。

 実際テントを持って山へ行っても、景色を眺めて、適当な物を食べて、ビールを飲んで明るいうちから寝てしまうだけなのですが、何だか妙に癖になる余韻が有るんですよね。

 また来年新たにに計画してみます。そしてその頃には年齢もまた一つ上がってしましますので、これから寒くなって、冬の間も体力の維持向上に努めないといけませんね。

OKI

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