常念岳~燕岳縦走【前編:一ノ沢~大天井山荘】
その他の山々
最近は長い秋雨の続くアウトドア不遇の中、9月4日(金)から、5日(土)にかけて、職場の同僚Yさんと、今年初の泊りでの縦走を行ってきました。
今回の目的地は、長野県安曇野市の一ノ沢から登山を開始し、標高2,857m【常念岳】から、標高2,922m【大天井岳】の麓大天井山荘に宿泊した後、標高2,762m【燕岳】に登頂後、北アルプス三大急登の合戦尾根から下山するといった道程です。
一つの100名山と、2つの200名山を歩くことが出来る楽しい道のりであり、天候にさえ恵まれれば槍ヶ岳を始め、多くの北アルプスの山々の景色を眺めて歩くことが出来る予定でした。
また、今年初の縦走にして、テントではなく山小屋に泊っての行動も、これまでにない新鮮な道のりです。
それではスタートです。

【5時】
4日(金)の、深夜2時に富山を出発し、たっぷり3時間かかって長野県穂高駅駐車場にて予約していたタクシーを待ちます。
いやはや。
隣の県で、市町村境界的には隣接していると言っていい場所なのですがたどり着くまでに結構な苦労が必要です。
また、この日は運よく雨の中日に挟まっていましたが、山々は雲に覆われておりその姿を確認することは出来ませんでした。
駐車場は思っていたより空いていましたが、それでも何名かの登山者たちが我々同様にタクシー待ちをしていました。

余談ですが、今回の相棒。
今回はYさんも同行することから、テント泊ではなく山小屋泊を予定していたため、ミドルクラスのザックが欲しいと思い、新たにドイターのACTトレイルプロ40を購入して、この縦走に挑んでいます。
40リットルクラスの中でも軽量な仕上がりと、多機能な機能性に富み、使い勝手の良い製品だと思います。

【5時55分】
5時半に予約したタクシーで、駐車場から30分もかからず、今回の登山口である、標高1,260m一ノ沢登山口へと到着しました。
もっと簡素な入り口を想像していましたが、立派なトイレや小屋も有ったりと、やはり100名山である常念岳へ通ずるメジャーな登山道なのだと実感させられます。
凄いなぁ。登山というか、一つのテーマパークへの入り口へ来たようです。
有名どころは違いますね。

その後、準備を整えて6時に登山を開始します。
この登山道は、一ノ沢の名の通り、沢の連続する登山道と川とが一体となったような水の多い道のりでした。
何度も沢を越えて、前日からの雨のせいか水量の増えた水がそのまま登山道を流れて川となっているような道のりを幾度も越えて標高を上げていきます。

また、途中の小さな池の中にもイワナが生息していたりと、自然の豊かさを感じさせられます。

そしてキノコ。
まるでマツタケのようです。
この道のりは、行きも帰りも多くのキノコが見られました。

その後
7時 1,610m大滝
7時20分 1,750mエボシ沢
7時50分 1,900m笠原沢
と、沢沿いの道を通過していきます。
なお、この頃までは、青空の広がる素晴らしい道のりで、常念岳の姿も眺めることが出来ましたが、次第に雲が登り始めたかと思えば、あっという間に周囲を白く染めてしまったのでした。

【8時半】
標高2,090m胸突き八丁を越えていきます。
この後に最後の水場を過ぎた後、沢から離れて1キロほどで常念岳の入り口である常念乗越へとたどり着きます。

【9時20分】
標高2,460m、常念乗越へ。
すっかり周囲は雲に包まれ、同時に冷たい強風が吹きつけてきました。
そして寒っ!!
日差しが出ていれば夏同様のはずの9月初旬ではありますが、遮るもののない鞍部は容赦ない冷たい風が吹き抜けていました。

【9時半】
余りの冷たい風にたじろぎながらもウインドブレーカーを着こんで、今日の目標の一つでもある常念岳の山頂を目指して歩き始めます。
標高差は400メートルほどのはずですが、正面に見据えてみると中々に迫力がありますね。

そして、山頂までの道は大きな岩でできたゴーロ帯が多く歩きにくく、風に加えて時折細かい霧のような雨が吹き付けて滑る恐怖にも怯える、中々に苦しい道のりとなりました。
また、歩きにくい上に寒い中、ピークに辿り着いたかと思えばまだ先が有ると言ったサービス満点の道を歩き、ようやく山頂が視界に入ってきました。

【10時50分】
たっぷりコースタイム以上の時間をかけてようやく常念岳山頂へとたどり着きました。
寒さと小雨に加えて、雲により展望も無いので、さっさと下山します。
せっかくの100名山でしたがあまり感慨も無い到達でした。

【11時50分】
雲の中を抜けて小屋が見えるほどまで少し下れば不思議なもので、少し暖かくなってきました。
濡れた岩に気を付けながら、常念小屋へと下山完了します。

その後、常念小屋にて昼食。
カレーを食べて温まります。
やはり食事を摂ると元気が出てきますね。
登山口から6時間。
さらに、富山を出発して既に10時間が経過し疲労感を感じていましたが 疲れた体に力がみなぎってきました。

再出発した後は、高所らしい美しい横通岳を巻く高山帯の登山道を歩いていきます。
残念ながら雲により対面の山々はほとんど見ることが出来ない残念な歩みとなりました。

それでも、東大天井に向けて歩みを続けます。
遠くの視界はイマイチでも、歩みを続ける山々の光景も充分に美しいものです。
這松の中に刻まれた緑のトンネルを通り抜けていきます。

振り返れば安曇野市の方面には青空が見え、時折街並みを眺めることが出来ました。
Yさんも疲労しつつも頑張って歩いています。

【14時】
道のりの先に、大天井岳の姿が見え始めました。

そして、その視界の先には明日の目的地である燕岳が。
なんて美しい。。。不思議なほどに白く輝いています。

そして、驚くことに標高2,800m付近であるというのに登山道の真ん中にニホンザルの姿が。
自分たちの後方には高齢の女性の登山者もおり、食料を狙って襲いかかってこられてはかなわないので大きな声とストックを振りかざして追い払いました。
いやだなぁ。まともに勝負しては勝ち目がないので怖いな・・・
また、先日新聞にも乗っていましたが、乗鞍岳などでは猿による雷鳥の食害が広がっているようで、実際この猿の傍でも散らばった白い羽を目撃し、ここ大天井でも猿による食害が発生しているのであろうと、不安になりました。
猪や鹿のみならず、猿の駆除も真剣に考えないといけないのかもしれませんね。

【15時】
一ノ沢出発から9時間の後、ようやく今日の目的地である大天井山荘前に到着です。
金曜の夕方でしたが、既にテントも行く張りか有る上に、周囲には登山者が多く有り、賑やかな光景が広がっていました。

チェックインの前に、山荘の傍にザックを置いて、とりあえず大天井山頂を目指し、今日最後の登山を行います。
10分程度の道程ですが、疲れた体には堪えますね。

【15時20分】
ようやく今日の最高到達点。
標高2,922m大天井岳山頂へとたどり着きました。
長かった~。
早速山荘で買ってきたビールで乾杯です。
疲れた体にアルコールが染み渡りますね。

そして、相変わらず視界はイマイチですが、燕岳に、黒部湖、そして白馬や立山、剱岳の方面が見渡せる中々の展望台です。
しかし、晴天となった翌日の早朝は素晴らしい展望が広がっていました。

そして今日歩いた道のりを振り返りつつ山荘へと戻り今日の疲れを癒すこととします。

山荘の晩御飯。
疲れた身体にまともな食事が染み渡ります。
テント泊で自分で調理というのも楽しいのですが、やはりしっかりとしたおかずとご飯と汁物が揃った食事にはかないませんね。
ご飯も味噌汁も3杯お替りしてしまいました。

その後は、高いビールを控えて、下界で買ってきたポケットウイスキーで心地よい酔いを堪能します。
今日は思っていたより人がきておりましたが、ピッタリ一人に一枚布団を確保することが出来ました。
そして、まだ時間は17時半であり、外も明るい頃合いでしたが、Yさんも含めて周囲の人々もどんどん就寝モードへ入っており釣られて私もどんどん眠たくなってきました。
駄目だ眠い・・・星空を待たずして就寝モードへと移行しました。
どうやら翌日5日は天気が良いようですので、早く寝てご来光を拝みましょうかね。。。
2日目へと続きます。
それでは今回はこのへんで
今回の目的地は、長野県安曇野市の一ノ沢から登山を開始し、標高2,857m【常念岳】から、標高2,922m【大天井岳】の麓大天井山荘に宿泊した後、標高2,762m【燕岳】に登頂後、北アルプス三大急登の合戦尾根から下山するといった道程です。
一つの100名山と、2つの200名山を歩くことが出来る楽しい道のりであり、天候にさえ恵まれれば槍ヶ岳を始め、多くの北アルプスの山々の景色を眺めて歩くことが出来る予定でした。
また、今年初の縦走にして、テントではなく山小屋に泊っての行動も、これまでにない新鮮な道のりです。
それではスタートです。

【5時】
4日(金)の、深夜2時に富山を出発し、たっぷり3時間かかって長野県穂高駅駐車場にて予約していたタクシーを待ちます。
いやはや。
隣の県で、市町村境界的には隣接していると言っていい場所なのですがたどり着くまでに結構な苦労が必要です。
また、この日は運よく雨の中日に挟まっていましたが、山々は雲に覆われておりその姿を確認することは出来ませんでした。
駐車場は思っていたより空いていましたが、それでも何名かの登山者たちが我々同様にタクシー待ちをしていました。

余談ですが、今回の相棒。
今回はYさんも同行することから、テント泊ではなく山小屋泊を予定していたため、ミドルクラスのザックが欲しいと思い、新たにドイターのACTトレイルプロ40を購入して、この縦走に挑んでいます。
40リットルクラスの中でも軽量な仕上がりと、多機能な機能性に富み、使い勝手の良い製品だと思います。

【5時55分】
5時半に予約したタクシーで、駐車場から30分もかからず、今回の登山口である、標高1,260m一ノ沢登山口へと到着しました。
もっと簡素な入り口を想像していましたが、立派なトイレや小屋も有ったりと、やはり100名山である常念岳へ通ずるメジャーな登山道なのだと実感させられます。
凄いなぁ。登山というか、一つのテーマパークへの入り口へ来たようです。
有名どころは違いますね。

その後、準備を整えて6時に登山を開始します。
この登山道は、一ノ沢の名の通り、沢の連続する登山道と川とが一体となったような水の多い道のりでした。
何度も沢を越えて、前日からの雨のせいか水量の増えた水がそのまま登山道を流れて川となっているような道のりを幾度も越えて標高を上げていきます。

また、途中の小さな池の中にもイワナが生息していたりと、自然の豊かさを感じさせられます。

そしてキノコ。
まるでマツタケのようです。
この道のりは、行きも帰りも多くのキノコが見られました。

その後
7時 1,610m大滝
7時20分 1,750mエボシ沢
7時50分 1,900m笠原沢
と、沢沿いの道を通過していきます。
なお、この頃までは、青空の広がる素晴らしい道のりで、常念岳の姿も眺めることが出来ましたが、次第に雲が登り始めたかと思えば、あっという間に周囲を白く染めてしまったのでした。

【8時半】
標高2,090m胸突き八丁を越えていきます。
この後に最後の水場を過ぎた後、沢から離れて1キロほどで常念岳の入り口である常念乗越へとたどり着きます。

【9時20分】
標高2,460m、常念乗越へ。
すっかり周囲は雲に包まれ、同時に冷たい強風が吹きつけてきました。
そして寒っ!!
日差しが出ていれば夏同様のはずの9月初旬ではありますが、遮るもののない鞍部は容赦ない冷たい風が吹き抜けていました。

【9時半】
余りの冷たい風にたじろぎながらもウインドブレーカーを着こんで、今日の目標の一つでもある常念岳の山頂を目指して歩き始めます。
標高差は400メートルほどのはずですが、正面に見据えてみると中々に迫力がありますね。

そして、山頂までの道は大きな岩でできたゴーロ帯が多く歩きにくく、風に加えて時折細かい霧のような雨が吹き付けて滑る恐怖にも怯える、中々に苦しい道のりとなりました。
また、歩きにくい上に寒い中、ピークに辿り着いたかと思えばまだ先が有ると言ったサービス満点の道を歩き、ようやく山頂が視界に入ってきました。

【10時50分】
たっぷりコースタイム以上の時間をかけてようやく常念岳山頂へとたどり着きました。
寒さと小雨に加えて、雲により展望も無いので、さっさと下山します。
せっかくの100名山でしたがあまり感慨も無い到達でした。

【11時50分】
雲の中を抜けて小屋が見えるほどまで少し下れば不思議なもので、少し暖かくなってきました。
濡れた岩に気を付けながら、常念小屋へと下山完了します。

その後、常念小屋にて昼食。
カレーを食べて温まります。
やはり食事を摂ると元気が出てきますね。
登山口から6時間。
さらに、富山を出発して既に10時間が経過し疲労感を感じていましたが 疲れた体に力がみなぎってきました。

再出発した後は、高所らしい美しい横通岳を巻く高山帯の登山道を歩いていきます。
残念ながら雲により対面の山々はほとんど見ることが出来ない残念な歩みとなりました。

それでも、東大天井に向けて歩みを続けます。
遠くの視界はイマイチでも、歩みを続ける山々の光景も充分に美しいものです。
這松の中に刻まれた緑のトンネルを通り抜けていきます。

振り返れば安曇野市の方面には青空が見え、時折街並みを眺めることが出来ました。
Yさんも疲労しつつも頑張って歩いています。

【14時】
道のりの先に、大天井岳の姿が見え始めました。

そして、その視界の先には明日の目的地である燕岳が。
なんて美しい。。。不思議なほどに白く輝いています。

そして、驚くことに標高2,800m付近であるというのに登山道の真ん中にニホンザルの姿が。
自分たちの後方には高齢の女性の登山者もおり、食料を狙って襲いかかってこられてはかなわないので大きな声とストックを振りかざして追い払いました。
いやだなぁ。まともに勝負しては勝ち目がないので怖いな・・・
また、先日新聞にも乗っていましたが、乗鞍岳などでは猿による雷鳥の食害が広がっているようで、実際この猿の傍でも散らばった白い羽を目撃し、ここ大天井でも猿による食害が発生しているのであろうと、不安になりました。
猪や鹿のみならず、猿の駆除も真剣に考えないといけないのかもしれませんね。

【15時】
一ノ沢出発から9時間の後、ようやく今日の目的地である大天井山荘前に到着です。
金曜の夕方でしたが、既にテントも行く張りか有る上に、周囲には登山者が多く有り、賑やかな光景が広がっていました。

チェックインの前に、山荘の傍にザックを置いて、とりあえず大天井山頂を目指し、今日最後の登山を行います。
10分程度の道程ですが、疲れた体には堪えますね。

【15時20分】
ようやく今日の最高到達点。
標高2,922m大天井岳山頂へとたどり着きました。
長かった~。
早速山荘で買ってきたビールで乾杯です。
疲れた体にアルコールが染み渡りますね。

そして、相変わらず視界はイマイチですが、燕岳に、黒部湖、そして白馬や立山、剱岳の方面が見渡せる中々の展望台です。
しかし、晴天となった翌日の早朝は素晴らしい展望が広がっていました。

そして今日歩いた道のりを振り返りつつ山荘へと戻り今日の疲れを癒すこととします。

山荘の晩御飯。
疲れた身体にまともな食事が染み渡ります。
テント泊で自分で調理というのも楽しいのですが、やはりしっかりとしたおかずとご飯と汁物が揃った食事にはかないませんね。
ご飯も味噌汁も3杯お替りしてしまいました。

その後は、高いビールを控えて、下界で買ってきたポケットウイスキーで心地よい酔いを堪能します。
今日は思っていたより人がきておりましたが、ピッタリ一人に一枚布団を確保することが出来ました。
そして、まだ時間は17時半であり、外も明るい頃合いでしたが、Yさんも含めて周囲の人々もどんどん就寝モードへ入っており釣られて私もどんどん眠たくなってきました。
駄目だ眠い・・・星空を待たずして就寝モードへと移行しました。
どうやら翌日5日は天気が良いようですので、早く寝てご来光を拝みましょうかね。。。
2日目へと続きます。
それでは今回はこのへんで
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