雲上の立山連峰を目指して 【海抜0メートルから2,450メートル『室堂』への道】

立山
07 /16 2012
 16日の海の日は、全国的な猛暑となり、富山県でも一部35℃を越えるような猛暑日で、多くの方が暑さに苦しまれたものと思われます。

 昨年の海の日には、富山県からはるか名古屋まで国道41号線走破の旅を走り抜けたものです。

 しかし、今年はおとなしく富山県内に留まり、立山連峰の主峰たる、雄山(標高3,003メートル)、そして最終目標大汝山(標高3,015メートル)までを自力で登りきる、海抜0メートルから3,015メートルの旅の予行練習として、その手前、標高2,450メートルの室堂までの自転車と、二本の両足を使って向かうといった、チャレンジの旅を行いました。



 今回のルートはこんな具合です。前回のように富山広域農道を通ったりといった回り道をせずに、一直線に称名滝を目指しています。
  
 まずは海抜0メートル『ウェーブパーク滑川』から約40キロ、標高差約1,000メートルの『称名滝駐車場』までを自転車で登ります。
 次は徒歩で、約2キロ程度の道のりで、標高差約500メートル以上を稼ぐ『八郎坂』を登った後は、以後魅惑の『アルペンルート』の約15キロの道のりを、1,000メートル近く登りきるといった、予行練習にしてはハードな内容でした。
  
 実際にやってみて、頂上途中までの行為でありながら、本当にハードな内容の冒険だったのですが、軽く調べてみただけでも数名の方が、自転車&自力歩行での立山日帰り登山を成し遂げておられます。
 またブログなどに発表しておられない人などが他にも大勢存在しているであろうことを考えると、意外にメジャーな挑戦であるとも言えます。

 中には、称名から自転車を担いで大日連山、立山三山を縦走登山をして、そのままバスで長野県まで行ってしまわれた『超々々々人』もいらっしゃる様で、今の自分の力がどの程度の物なのか測る良い指標であるとも感じます。

さて・・・

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【3時30分】
 『ウェーブパーク滑川』そばの、漁港からスタートです。
 昨晩に花火大会もあったためか、堤防沿いに沢山のゴミが転がっており、ちょっと嫌な感じです。
 
 また深夜だというのに、気温は29℃ととても暑く、今後の行程が思いやられました。
 

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【6時】
 芦峅寺集落に入り、立山主峰の、雄山、大汝山が朝日に照らし出されて美しくその姿を顕します。
 先日はいつかそこまでと、見上げるのみの存在でしたが、今日はそのすぐ傍まで肉薄して見せるつもりです!!
 待っててくれよ!!

 なお、この日はおそらくフェーン現象だったようで、山から強烈な熱風が吹き下ろしてきており、向かい風により進行を阻まれます。

加えてただのサイクリングではなく、携帯食、水分、衣類等を携帯しつつの行程であり、想像以上の荷物の重さにかなり面喰います。
 特に水が重い。八郎坂からアルペンルートの途中では水場が無い為、ドイターのストリーマーを利用して、3リットル携帯しましたが、想像以上の重量です。
 
 また、よりによって途中パンクをするなどして、ほんの序盤である『称名滝』までの道のりが予想以上の苦難の道のりとなってしまいました。


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【7時半】
 予定よりも30分は遅れて、称名滝駐車場に到着しました。
 この駐車場で、自転車をデポし、サイクリングの恰好から、トレッキング可能なスタイルに着替えます。
  
 これから始まるであろう、長い長い苦難の道のりの前に、休憩所すぐ側の、非常に冷たい湧き出る湧水で顔を洗い、水分補給します。

 次回は称名駐車場までは少量の水だけを携帯してきて、ここでストリーマを満タンにすることにすれば良さそうです。
 

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【7時55分】
 称名滝手前の、飛龍橋を渡り、いよいよ八郎坂登山口へと取りつきました。
 ここからは一気に2キロ足らずで、約500メートルの標高を稼がなくてはなりません。

 今までろくに登山の経験も無いので少々不安ですが、まずは経験。突入することにします。
 
 なお余談ですが、先日買ったストックは伸ばしても1メートルにも満たず、180センチを超える私の身長にはあまりにも短すぎて、結局新たにスポーツゼビオで買いなおす羽目になってしまいました。

 安物買いの銭失いとはまさにこのことですね。
 しかし、今回は下りと登りの中間的な性能の、ある意味中途半端なT字型ストックではなく、登りと平地のトレッキングに主眼を置いたI字型のストックを選択したことにより、この日の長い長い登りの際に非常に重宝させてもらいました。


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 緑の中の登山道。久しぶりに山を登っている実感が感じられます。
 
 八郎坂は最初こそ一部アスファルトで固定されていますが、ほとんどがこのような土と、岩場がむき出しの登山道です。
 岩にはコケが張り付いており、これがまた本当に良く滑るために登る際には非常に注意が必要でした。
 
 また、当然のことながら傾斜も急な場所が多く、買ったばかりのストックをフル回転させながら登って行きました。

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 三分の一程度も登っていませんが、称名滝第一展望台から眺める称名滝。
 下から眺めているのと異なり、迫力があります。


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 ふと上を見上げれば青い空。
 ああ・・・どこまで登っていくのだろう。空が近くなってきた。そんな錯覚に襲われます。


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 称名滝第二展望台を過ぎ、八郎坂も残りわずかです。
 称名滝を見下ろすようになり、かなり高度が上がってきたことが実感できる様になりました。


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 となりのトットロ♪トット~ロ♪

 八郎坂の急峻な登山道を越え、木立に包まれた緑のトンネルをくぐれば、アルペンルートとの合流点目前にたどり着きます。
 木立に囲まれた登山道は、まるで異世界へと誘う通路のようです。

 さて、耳をすませば、バスの走る音がもうすぐ傍まで聞こえてきています。


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【9時40分】
 やったああああ!! アルペンルートだ!
 何度も息を切らし、へたり込みながらもたっぷり2時間近くかけて、ついに八郎坂を登りきって、標高は1,580メートル。
 はるか室堂まで通じるアルペンルートに合流しました。
 
 あの坂を登りきった後に、このような立派に舗装された道が現れるなんてまるでテレポートでもしてきたようです。
 ひっきりなしに走る観光バスから、路線バス。
 興奮冷めやりませんが、時間が有りません。室堂までのあと15キロ程度の道のりは両足のみが頼りです。

 ここからが本番、速やかに出発です。
 

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 直ぐ傍の遊歩道から見る広がる高原の景色。
 まるで下界とは別世界!?
 これまで見てきた風景とまるで雰囲気が違います。広がるこの緑に圧倒されます。


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 しばらく進んで、弘法のチップ制の有料トイレを通り過ぎます。
 尋常ではない運動量と、暑さによる発汗の為、今のところもよおしてもいませんが、中をのぞいてみると結構きれいなトイレでした。


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 弥陀ヶ原までは観光&今後の偵察がてら木製の遊歩道である『木道』を主体に進んでいきます。
 この辺りはまだ標高1,600メートル程度であり、周りの茂みも背が高く歩きにくいです。
 
 また、時折観光客の方などとすれ違いが有ったりして、急いで登りたい人間には向かないかもしれません。

 
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 弘法付近から、振り返った光景です。富山市街が一望できます。
 なんて高いところまで登ってきたのでしょう。
 あまりの美しさに、一瞬ここで満足してしまいそうになりますが、まだまだ先は長いのです。


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 道端には、高山植物であるニッコウキスゲが咲き誇っています。
 一面の緑の中に黄色い色は目立ちますね。


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【11時10分】
 八郎坂下山口を出発し、約2時間経過してようやく弥陀ヶ原ホテルまでたどり着きました。
 徒歩でアルペンルートを登り切る強行軍もようやく残り半分です。
 
 しかし、ここまでで2時間もかかっているようでは、少々時間がかかりすぎかもしれません。
 室堂までたどり着けるのか不安になります。


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 ホテル直ぐ傍の、バス停にある公衆トイレで休憩し、再び気合を入れてアルペンルートを登ります。
 今度は時間の短縮のため遊歩道は使わずに、わき目も振らずアルペンルートを速足で歩いたり、ときに走ったりします。
 ちなみにこの長い長い登り坂で、2本のストックのサポートは非常に助かりました。 

 正面にそびえる大日連山が美しい・・・


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 ちょっと一息。
 白く綺麗なキヌガサソウが咲いています。


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【12時】
 大日連山の見える方向もだいぶん変わってきました。
 そして進むにつれて、自分の高度も上がってきたのが良くわかります。


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【12時35分】
 『天狗平山荘』前に到着です。
 山荘は現在工事中のようです。

 また、この辺りまで来るとまだ雪がチラホラ道沿いに残っています。
 雲も大分近づいてきており、室堂付近には雲がかかっているのが見えますが、気温も下がり、風も冷たくなり涼しくなってきました。


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 【12時55分】
『大谷』に到着です。もう室堂は目と鼻の先。

 その名の通り、いまだ大量の雪が残っています。
 

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 見上げるような雪の壁。7月半ばですがまだ3メートル以上はあります。
 アルペンルート開通間もなくの春先はいったいどれほどの雪壁があったことでしょうか。
 
 これらの大量の雪解け水が、川となってはるか下流に集まって、称名滝などを形造っているのかと思うと感慨深いものが有ります。


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【13時】
 ようやく標高2,450メートル、『室堂』にたどり着きました。長かった~
 ちょっと寒いけど、風が冷たくて気持ちいい~
 
 早朝『3時半』に海を出発して『13時』室堂着。たっぷり9時間半もかかってしまいました。もうちょっと短縮と出発時間を早くしないと立山まで登れないな。
 

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 室堂ターミナルには観光客の姿がちらほら。
 曇っているから少ないのかと思いきや、ターミナルの中には黒部ダム行きのトロリーバス待ちの人々があふれていました。


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 肝心の立山は、雲におおわれて見ることが出来ませんでした。
 まあいいや。今日はここまでのつもりでしたからね。
 次回こそは・・・


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 ターミナルの中に入ります。
 外は13℃しかないのか・・・どうりで涼しいはずです。

 ターミナルの中は暖かく、近代的な作りでびっくりです。売店、レストラン、近くには博物館等も備わっており一大観光道の駅といった感じです。


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 売店でソフトクリーム。
 疲れた体に糖分が染み渡る・・・
 
 ここまで、カロリーメイトとゼリー食。そして塩分補給のための塩飴のみでやってきたので、レストランで食事でもしようかと思いましたが、もう14時近くになっており、帰りが心配のために速やかに室堂をたちました。


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【13時45分】
 室堂を出発しました。
 さらば室堂。そして立山!!・・・ふと振り返れば雲の中に浮かび立つシルエット。

 あのギザギザは剱岳か・・・幻想的だな。


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 下りは早い早い。
 登る際には見れなかった、標高2,270メートルの展望台から眺める『ソーメン滝』です。


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 また、天狗平付近で『雷鳥』の親子に遭遇しました。ラッキー

 動きがものすごい早くて、5羽ほどの雛たちはあっという間に茂みの中へ。
 あわててカメラを準備して、やっとのことで母鳥のおしりを撮ることが出来ました(笑)


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 見下ろす『弥陀ヶ原』の台地

 なんて雄大な景色なのでしょう。点在する『ガキ田』が見て取れます。
 つい最近サムラール条約に登録されたようですので、これから益々、弥陀ヶ原の名が知れ渡って、観光客が訪れるのかもしれません。


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 弥陀ヶ原を過ぎれば再び展望が開けだします。
 
 緑と空と、山と雲、そして街に海
 ここからの眺めには全てが揃っています。
 

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 そして左手をみると流麗な『薬師岳』が見えました。
 登りの際は、早く上まで行かなければと気が焦っていたので、全く気が付きませんでしたが改めて眺めるとこの山も非常に美しい山です。


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【15時55分】
 2時間ちょっとで八郎坂下山口に到着しました。
 やはり下りは早いですね。登りの半分程度の時間で降りてくることが出来ました。
 
 しかし、ここまでの道のりですでに足に来てしまっており、苔むした岩場が多い八郎坂の下りは、登り並みに厳しい道のりとなりました。
 幸い2本ストックが足のサポートとして大活躍してくれたため、無事に下山出来ました。
 本当に買っておいて良かったー。


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 下りの八郎坂から、称名滝を見下ろします。あの水の源流近くまで行ってきたのかと思うと感慨深いです。


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【17時10分】
 八郎坂の途中で、早朝に3リットルあったストリーマ内の水を飲みつくしてしまい、ちょっとピンチでしたが、やっと八郎坂を下ることが出来ました。
 水の量も要所要所で計算して、こまめな調整が必要ですね。

 もうすっかり夕方色の太陽の色です。そして暑い・・・まだ1,000メートル近い標高が有るはずなのに、いったい下界ではどんな事態になっているのでしょう。

 疲れた体を引きずりながら、無事デポした自転車と合流してサイクリングモードに着替えて称名滝を出発しました。


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 帰り道。

 昨日まで雨だったこともあり、山々が非常に良く見えました。

 また、立山の山頂付近の雲が一部晴れたようで、その付近が美しく姿を現しています。

 つい、数時間前まであの巨峰群のすぐ傍まで肉薄していたのかと思うと何とも言えず感動的です。


 しかし、これで満足するわけにはいきません。今回はあくまでトレーニングかつリハーサル。
 真の目的は、海から自転車と両足で、あの山々の頂を制し、多くの超健脚者たちの端くれに加わることなのですから。
 
 今回は片道およそ『サイクリング41キロ、ラン15キロ』。往復で112キロ程度であり、しかも途中の室堂までの道のりを往復しただけであるというのに相当疲労しています。 

 しかし今回の予行練習のおかげでなんとなくペースや、必要な事項がわかりました。
 次に登るときはいよいよ本番です。


 それでは今回はこのへんで
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コメント

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頂きへ続く道

おはようございます。
あぁ...良い眺めですね、ため息がでてしまいます。
ライチョウのお尻?もかわいいものです。
これがリハーサル、『あの山』とは?
怪我、事故に注意をください。
楽しい記事を待っております。

Re: 頂きへ続く道

ありがとうございます。山の景色は本当にきれいでした。
 本当は、夏になったら乗鞍などの県外の有名どころにヒルクライムに行こう行こうと考えていたのですが、いつの間にやらヒルクライムがおまけで、富山県内の登山に主眼に置かれるようになってしまいました。
 まずは地元の山からですかね(笑)
しかし、普段自転車で長距離を走ることはあっても、徒歩で長距離は別物ですね。大変なものでした。丸一週間たっても筋肉痛の名残が取れません。
本番は、それこそ気を付けていってまいります。

OKI

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