立山三高峰踏破の旅【海抜0メートルから3,015メートルへ】

立山
07 /28 2012
 7月27日(金)に、自転車及び徒歩で海抜0メートルから、立山連峰の主峰にして日本三大霊山、『雄山(3,003メートル)』及び、立山連峰最高峰『大汝山(3,015メートル)』、そして『富士ノ折立(2,999メートル)』の立山三峰をまとめて自力で走破してきました。

 前回、室堂までの予行練習を行ってから日々天気予報を確認しつつ、チャレンジに絶好のコンディションがやってくるのを待ち続け、ようやく天気予報は『晴れ』。筋肉痛もとうに治まっており、ついに実行にこぎつけました。



 今回のルート。ルートラボで、山の頂上ピッタリにポイントを合わせることがなかなか難しい・・・

 なお、今回も海岸からおよ40キロ、標高約1,000メートルの称名滝駐車場までを自転車で走り、以後およそ15キロを徒歩で、そして今回は残り3キロ程を登山するといった盛りだくさんの内容となっております。
 そして、大量に写真を撮ったのですが、あまりにも美しすぎる風景ばかりで、もうどれを元に記事を書けば良いのかも判らないくらいの素晴らしい道のりでした。
 
 それではスタートです。


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【1時20分】
 海抜0メートルからのスタートとして、道の駅『ウェーブパーク滑川』の堤防からスタートします。
 この日は深夜の気温は25℃と過ごしやすく、快適なサイクリングを楽しむことが出来きました。
 しかし、自転車を使える区間はほんの序盤でしかありません。余裕をもって登山を行うためにも速やかに先を急ぐ必要がありました。


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 途中、道の駅『アルペン村』に併設されたセブンイレブンで休憩をとった後、芦峅寺集落を抜けてさらに山奥へと向います。

 しかし、芦峅寺集落を抜けた後の称名滝までの区間は、とてもではありませんが、深夜に一人で走る場所ではありません。
 はっきりって怖すぎます。熊よけスプレーは携帯していましたが、熊に会うとか以前に不気味すぎます。

 写真は、『国立公園立山』に入ったところで時間は『午前3時半』。
 周囲は真っ暗で、車も通らず、当然街灯もなく、聞こえる音は、川の流れる音と木々のざわめきに、鳥の声。頼りは自らのライトのみ。そのライトに照らされたわずかな路面の範囲のみを見ながら必死で先へ進みます。

 今までのナイトランと同じ深夜走行ではありますが、国道沿いを走るのとはわけが違う。これは怖すぎる。


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【4時10分】
 ようやく、称名滝駐車場に到着して自転車をデポしてサイクリングからトレッキング可能な姿へと装備を整えます。
 この時間帯になると大分空も白んできて安心できるようになりました。
 また、駐車場にはすでに何台かの車が、おそらく前日から泊まっており、孤独と暗闇の恐怖から解放されてホッと一安心です。


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【4時50分】
 着替えたり、湧水をストリーマに補充したりしていたらあっという間に時間が過ぎました。
 辺りはすっかり白んできてライトも必要ない状態となりました。
 しかし、ここからはある意味時間との戦いです。立山でのんびりできるかは、その途中経過を以下に短縮できるかにかかっています。気合を入れなおして、まずは八郎坂を500メートル分登ります。 


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【5時50分】
 八郎坂の途中で朝日と対面です。眩しい~


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【6時10分】
 八郎坂から1時間半ほどで、再び『アルペンルート』に足を踏み入れました。
 前回より30分早く登れています。予行練習のたまものですね。
 アルペンルートからの朝焼けの景色がまぶしいです。


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【7時20分】
 室堂までのおよそ中間地点。弥陀ヶ原ホテルに到着。


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 少し登って、振り返る弥陀ヶ原。相変わらず美しい。富山平野はあいにく霞がかかっていて、はっきりとは見えません。

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 アルペンルートをひたすら登り続けます。登っている途中に何台もの観光バスに抜かされました。
 そして天狗平を超える頃には、立山がはっきりと目視できるようになります。
 よしよし、思惑通りに雲一つない、絶好の登山日和です。


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 左手には『立山』と並んで富山県を代表する山、『剱岳』の山頂を見ることが出来ました。すごい迫力です。この山もかっこいいなぁ。


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【9時】
 雄山登山道の出発点である『室堂』に到着しました。
 八郎坂下山口から3時間ちょっとと、かなりいいペースでここまでたどり着くことが出来ました。
 
 これならば、のんびり落ち着いて登山が楽しめそうと思いきや・・・


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 なんと、恐ろしいことにこの日は小学生の大団体が父兄もひきつれて大量に立山登山にやってきていたのでした。
 しかも1、2校どころではなく、5、6校以上の体操服姿が見えます。総数はまとめて数百人いるでしょう。それらが一斉に登り始めようとしているではありませんか。

 『冗談ではない!』追い抜けるうちにこの団体を抜いておかなくては大変なことになってしまいます。
 ターミナルで慌てて水分の購入と、トイレを済ませると大急ぎで登り始めることにしました。


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 小学生の団体をごぼう抜きにしつつしばらくは、石畳の遊歩道と、雪渓に刻まれた歩道を歩きます。
 間近から眺める立山も岩の灰色と、緑の気持ちいいこと。
 
 しかしトレランシューズは、アスファルト、土、岩場では有用でしたが、雪では全くグリップしません。ツルツル滑ってかなり歩きにくい。


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【9時45分】
『祓堂』着。かつて立山への参拝者達はここで身を清めてから頂を目指した場所であるとのこと。


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【9時55分】
 標高2,700メートル『一ノ越』を通過します。
 先行されてしまった小学生の団体が登山道を塞いでしまい、思うように歩を進めることが出来ませんが、何とか残り標高300メートルまでたどり着きました。


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 三ノ越を越えて、雄山山頂目前までやってきました。
 この辺りまで来ると、登山道は急坂に加えてゴツゴツした岩場となり注意が必要になります。


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【10時45分】
 ついに登山道を登り切り、社務所や売店などのある頂上付近の広場へとたどり着きました。
 あまり広くもない広場ですが、入れ替わり立ち代わり登山者がやってきます。
 
 奥のほうに見たる雄山神社峰本社が『雄山山頂』であり、そこまで行くついでにお祓いもしてもらおうと思います。
 

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 本社前の大鳥居を潜ります。よくこんなものがこの山の天辺に立てられたものだと感心します。


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 500円を払ってお札をもらい、いよいよ山頂の本社へと向かいます。
 一度に登れる人数に限りがあるようで、人数が多すぎると次のお祓いまで待たなければいけなかったのですが、運よくスムーズに登らせてもらうことが出来ました。


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【10時55分】
 ついに立山三峰の最初の一つにして日本三大霊山、標高3,003メートル【雄山】山頂にたどり着きました。

 深夜1時半に海岸を出発して、自転車、徒歩、登山と進みつづけて9時間半。
 自らの力のみで、ようやくここまでたどり着きました。
  
 過去の自転車での冒険のどれと比べても同等か、それ以上の疲労感と、達成感です。
 

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 振り向けば広がる山々の中に【槍ヶ岳】が天に向かってその頂を突き出しているのが見て取れます。


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 そして下を見れば、国内初の氷河と認定された、雄山東側斜面にある御前沢雪渓の一部と思しき雪の斜面が広がっているのを確認できます。
 吸い込まれそう・・・


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【11時5分】
 お祓いもしてもらい、ひとしきり感動したところ雄山山頂を降り、先を急ぐことにします。
 次の目的地は、奥に見える立山連峰最高峰の『大汝山』です。


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【11時30分】
 無事に、標高3,015メートル『大汝山』にたどり着きました。
 雄山とは異なり、ごつごつした狭い岩場の山頂ですが、何人もの登山者が休憩しています。
 
 ここが立山連峰最高地点。何とも気持ちの良い光景です。


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 少々雲が有り、今まで登ってきた道のりや下界の景色は見えませんでしたが、はるか下にはミクリガ池や、地獄谷を有する『室堂平』が一望できます。
 これが『山崎カール』という所ですね。
 雪の白と、植物の緑色、土や岩の灰色のコントラストが何とも言えない美しさです。

 
 
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 反対側を見れば、『後立山連峰』とその下方には青々とした『黒部湖』がのぞいています。
 きっとあそこにも多くの観光客が訪れていることでしょう。


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【11時40分】
 大汝山山頂を降り、次は今日最後の目的地、立山三峰最後の『富士ノ折立』へと向かいます。
 右手に見えるのは『大汝休憩所』です。もうお昼近いため、幾人もの人たちが昼食を食べ始めていました。


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 富士ノ折立は、標高こそ2,999メートルとこれまでの二つに比べて低いのですが、見ての通り切り立った岩場が山頂となっており、登山初心者の私には少々尻込みしてしまいそうな場所に存在していました。


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【11時55分】
 しかしそつなく登り終え、無事に立山三峰最後の、標高2,999メートル『富士ノ折立』山頂にたどり着きました。
 やはり山頂は狭いな・・・


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 ですが、景色はここも抜群です。
 はるか稜線に沿って連なる登山道を、ここからはハッキリと見ることが出来ます。何人もの人が歩いているのが見えます。


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 その稜線のはるか先には『剱岳』の姿。もうすぐ近くにあるようです。


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 そして、どこまでもどこまでも連なる『後立山連峰』の山々。
 ずっとこうしていると、山々の中に飲み込まれてしまいそうです。
 
 これにて、この日の目的である『海抜0メートルから、自力での3,015メートル到達及び、立山三高峰踏破』を成し遂げることが出来ました。
  あとは、無事に帰ってこその挑戦達成です。気合を入れて帰ります!! 


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【12時20分】
 少々お腹が空いたため、富士の折立手前にあった広場で、行動食のランチパックや、ゼリーを食べたりした後、下山を開始しました。

 大汝方面から雄山方面をよくよく見ると、本社などがものすごく切り立った斜面の上に存在していたことが分かり、薄ら寒くなります。


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 雄山の休憩所を越えてさあ下山しようと思ったところ、最も恐れていた自体が。
 
 小学生の集団による大渋滞です。最悪だ・・・
 登ってくる団体に、降りようとする団体・・・まったく先へ進めない・・・
 おじさんは今から走っておうちに帰らないといけないから急いでるんだけどなぁ(泣)


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 【14時】
 たっぷり1時間以上かけて一ノ越まで降り、そこからはトレランシューズの本領発揮でランニングで室堂へと急ぎましたが、結局ターミナルに着いたのは14時過ぎ。これではレストランで昼食を摂る余裕はないな。
 
 ソフトクリームと水のみを補給して室堂を後にすることにします。

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【14時30分】
 室堂を後にします。少し雲が増えてきたようで、立山山頂にもうっすらと雲がかかるようになりました。
 いい天気のうちに登山が出来て良かった~

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【16時】
 弥陀ヶ原もかなりもやがかかっています。
 あの美しい景色も、今は影をひそめています。

 ちなみに、かなり足に来ており思った以上にここまで時間がかかってしまいました。
 ですが、流石にこのままではペースが遅すぎることに気が付きランニングを主体で駆け降りることにしました。


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【18時】
 弥陀ヶ原から、弘法までの後半をかなりハイペースで降り、最後の最後の難所、八郎坂も無事に1時間で下山することが出来ました。

 一ヶ月ほど前から計画していた立山自力登山のための要所であった、八郎坂もこれでしばらくは登ることは無いでしょう。
 何だか、とても物寂しい気分です。


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 さようなら八郎坂。
 見上げるあの急斜面を、このひと月の間に2回も登ったとは・・・
 
 そしてさようなら称名滝。またいつかやってくるよ。 


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 平日の上、もうとっくに休憩所も閉店しており、人気のない遊歩道を歩いて、デポしておいた愛車CLX2.0と再会です。良く待っててくれたね。
 
 まあ、無かったらそれこそシャレにならないのですけどね・・・

 そうこうしているうちにも、周囲はだんだん薄暗くなりつつありました。痛む体を引きずりながら、着替えて、山用具をしまって、再びサイクリングモードになります。


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【20時10分】
 全く足が回らないながらも、ようやく出発地点である『ウェーブパーク滑川』傍の漁港に帰り着きました。
 長かった・・・

 
 今回の移動距離はおおよそサイクリング84キロ、徒歩35キロの約120キロ
 
 時間経過は・・・
 滑川(海岸)    1時20分
 八郎坂登山口    4時50分
 八郎坂下山口    6時10分
 室堂        9時
 雄山山頂      10時55分
 大汝山山頂     11時30分
 富士ノ折立山頂   11時55分
 室堂        14時
 八郎坂下山口    17時
 八郎坂登山口    18時
 滑川(海岸)    20時10分
 
 深夜1時20分に出発して、20時10分着。と、いうことは・・・
 往復にかかった時間はなんと、『18時間50分!!』
 
 多くの超健脚者の方々からすれば、鼻で笑われるようなショボイ結果かもしれませんが、とにかく自分にもやり遂げることが出来たことに非常に満足しています。
 
 もう一度やれるか?と言われると、かなり尻込みしそうですが、そのうち疲労を忘れたころに、再びやりたくなって来てしまいそうな魅力と感動がこの道のりにはありました。
 
 
それでは今回はこのへんで
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コメント

非公開コメント

oki様
おめでとうございます、素晴らしい冒険の成功を羨ましく思います。
深夜の山道は想像しただけでも危険で不気味な感じがします
熊って?本当ですか?
確かに僕も野生の猿を見つけた時は おっ!と可愛いなぁと思いましたが、集団の群れだと気づいた時には恐怖を感じたものです。
自転車を中心とした遊び方として、自転車+?=??というのもアリなのですね。
自転車x登山=...
羨ましい...身体の回復とともに気力が湧き上がることと思います。
自転車だけではなく、これからも登山への挑戦、冒険記を期待しております。

Re: タイトルなし

ありがとうございます。
今回はかなり異色の遊びで万人向けでは無い体力的にもきつい内容ですが、今までの遠くの見知らぬ地を目指すことテーマとした、長距離サイクリングとはまた違った魅力が有りました。ただ、自転車プラスの作業が必要なので、やはりお手軽ではなく準備も面倒ですし荷物も重いです。
しかし夜の山道は参りましたね・・・熊は当然どこかにいるでしょうが幸い遭遇は避けられました。暗闇の中をベルを鳴らしまくりながら走っていましたが、おそらくキツネやタヌキなどの小動物でしょうが、夜道に光る眼と目が有ったりしてその度にビクビクして走っていました。何回かすれば慣れるのかな・・・
でもそれ以外の道のりは、疲労しながらも、本当に癖になりそうな程の爽快感と解放感でした。

偉業達成おめでとうございます。8

偉業達成ですね!
未知なる世界へ突き進み、段々と超人?になっていきますなぁー
しかし、山の魅力に気付かれたようで嬉しく思います。
次回は、トレランの新たな領域のチャレンジに期待しています。

※7/26~28に、秘湯・高天原温泉に行ってきました。何処から入っても1日では行けない秘湯中の秘湯です。

Re: 偉業達成おめでとうございます。

山賊様ありがとうございます。
 しかし、まだまだ根性だけでやり遂げたようなもので、時間と体力がそこそこあったという程度の結果だったでしょうね。まだまだです。
 しかし、八郎坂から始まり、しだいに高所へ行くにつれての景色の変化と、それに伴う高揚感は癖になりそうでした。疲労のせいで脳内麻薬が過剰に分泌されていたのかもしれません(笑)
 高天原での記録については、更新されている間も見させていただいていました。これこそが山行ですね・・・真に山を楽しみに行っておられる、感慨深いものが有りました。

OKI

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