試練と憧れへ至る道『馬場島』サイクリング【海抜0メートルから760メートル】

通常サイクリング
08 /12 2012
 世間はすっかりお盆シーズンに突入しています。
 今日は、晴れのち雨といった微妙な天気予報の中でしたが、午前中いっぱいは天気も持ちそうな雰囲気でしたので、海抜0メートルから、760メートル『馬場島』までのサイクリングに行ってきました。



 なお、『馬場島』は、家族連れがのどかにキャンプを行う広場としてのイメージが一般的ですが、その実は富山県を代表する山である『剱岳』への登山基地としての素顔を持つ場所でもあります。

 実質海からわずか30キロで、称名滝等を有する、国立公園立山並みの大自然の中へと足を踏み入れることが出来る最も手軽で最短距離に存在する秘境と言うことができます。


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【9時】
 いつもの通りウェーブパーク滑川傍の海岸に到着です。
 今から天気が崩れて、雨になるとは信じられないような快晴の空ですが、とりあえず今日の目的地である、30キロ先の馬場島へ向けて出発です。


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 海岸を発した後は県道320号に沿って走り、富山広域農道を越えると辺りの風景は一気に人気の少ない田園地帯へと変化します。
 さらには、道のりのはるか先に広がる山々の景色が垣間見えるようになります。


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 海岸から15キロほど走って、みのわ温泉なども通り過ぎると、早月川に沿って、辺りは田園から一層人気のない山郷へと変化していきます。
 この早月川発電所のダムを過ぎたあたりから、その傾向は一層強まります。

 なお、早月川沿いにはいくつもの小規模な発電所が点在しており、水力発電をこまめに活用していることがわかり、なかなか興味深く、面白いものです。


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 ダムを過ぎてしばらくは、片側1車線の綺麗な道が続きますが、『上市町』に入った辺りで一旦道は細くなり、その後写真のような小さめの砂利が敷き詰められた未舗装路が1キロほど続きます。

 自転車に乗って走れないことはない道のりですが、タイヤやホイールへのダメージをわざわざ加算することも無いでしょうし、押して歩くことにします。


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 砂利のダートが終了すると、左手に大きな吊り橋が現れます。
 かつて、加賀藩の金蔵として大量の金を発掘した、下田集落と、金山の跡地へとつながる吊り橋でした。
 いまは下田金山も枯れ果て、集落に人はなくひっそりと、やがてはその存在を知る人もいなくなる時まで時間の流れに身を任せて休んでいるように感じます。
 
 いまは住む人も無くなったいくつかの過疎の集落が、この辺りのみならず、さらに奥地にもには点在していますが、かつて人が山郷と共存していた時代には、多くの人々がこの山深い土地に生活していたのです。

 その証拠に、このルートには、朽ちかけた家屋が、滑川市、上市町ともに存在し、さらには今は廃校となった学校の跡地が存在するなど、かつて子供たちの声で賑やかだったであろう集落の人々の生活の営みに思いを馳せさせ、それがかえって現在に至る時の流れの寂しさをひしひしと感じさせます。

 おそらくは、日本全国どこにでもこのような集落のなれの果てが存在しているものと思います。生まれ育った山村を出て、里に下りざるを得なかった人々の心の内は、いずれ完全に風化されてしまうのでしょうね・・・ 

 山郷にはロマンが有ります。


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 さて、馬場島に至るまでは、滑川市側ルートと、上市町側ルートの2本が存在していますが、ダートを過ぎたあたりで、2本は合流し県道333号線を走って、一路ゴールを目指すこととなります。

 ちなみに、個人的には、上市町側ルートは急こう配の登りがいくつか続き、路面も悪い区間が多く、海岸からも遠くなるので、滑川市側の県道320号及び、67号線のほうが、ダート区間のマイナスを考慮しても走り易いとは思います。


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 馬場島に至るまでには、いくつもの橋を渡って早月川を蛇行するように登っていきます。
 これはその橋の中でも大きなものの一つ、伊折橋から見た上流の景色です。
 
 見える早月川の景色はもうすっかり山のものです。馬場島までは残り8キロ程度ですが、何とまだこの先には上市町最果ての集落、伊折村の集落が存在していたのでした。
 まだ比較的家もしっかりしていて人の生活感が有ります。
 すごい・・・どうやって生活しておられるのでしょう?
 興味のある方は、是非一度この道のりを走ってみられて確認されることをお勧めします。


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 馬場島まで残り3キロ。
 小又橋を渡ります。
 周囲は、称名滝に周辺に匹敵する山深い場所ですが、このような鉄骨造りの橋が造られていることに驚きます。


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 途中で対岸に大規模な土砂の崩落が起きている現場が見て取れます。
 山肌が、想像できないほどの規模で流れており、中には近くで見たらいったいどれほどの大きさなのかと空恐ろしくなるような岩の塊が転がっているのが分かります。
 

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 このような土砂の崩落に備えて、早月川のみならず、富山県の河川の上流では至る所でこのような砂防堰堤が、年がら年中作られています。

 しかし、これらの土砂を放っておけば、川は土砂で埋もれてダム湖となり、大規模な水害などにつながりかねません。
 富山県の歴史は、古くは佐々成政の施策にも見られるように、水害との戦いの歴史です。


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 さらに山深く入り込み、もう馬場島のすぐ手前までたどり着きました。
 ここは白萩発電所です。
 こじんまりとした可愛らしい規模の発電所ですが、この先にはもう一つ同程度の規模の馬場島発電所が存在しています。


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 発電所の傍の水の青さの綺麗なこと・・・


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 以後は中山登山口のすぐ傍の、立山川にかかる橋を渡り、いよいよ『馬場島』へと到着します。


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 ついに馬場島キャンプ場に到着しました。
 駐車場は、富山県から、富山県以外のナンバーの車まで様々であり、さらにはキャンプ場にはいくつものテントが張り巡らされており、このキャンプ場の人気の高さが伺えます。


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【11時】
 ようやく今日の目的地である剱岳の早月尾根登山口までたどり着くことが出来ました。
 およそ30キロの道のりを2時間で。基本登り基調のみの道のりですのでまあこんなものでしょう。

 有名な『試練と憧れ』の石碑を前に記念撮影です。過去に何回か単なるキャンプに訪れて、興味半分にこの石碑を眺めたことはありますが、今年は今までとは異なり、特別な気分です。

 それは、先日海抜0メートルからの立山登山を成し遂げた自分としては、次の目標は当然・・・
 
 今までは単なる憧れで有ったものが、まさに現実の目標となったのです。


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 登山口を確認しておきます。
 思ったよりしっかり整備された登山口です。これなら登り易そう。


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 下を見れば目的地までの道のりを示すプレートが。
 道のりにして8.3キロで、2,200メートルの高度を稼がなくてはならない、過酷な早月尾根ルートのまさにここがスタート地点です。
 

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 見上げる登山道の始まり。
 かなりの急坂です。出だしからこれとは・・・
 これは八郎坂より辛そうだな・・・。だけれども、早く登ってみたい。走りたい。
 どのように進んでいこうかワクワクと想像が膨らみます。

 ・・・・・・ちょっと、アブがすごいんですけれど。
 少しでも止まっていたら、次から次へとやってきます。『おろろ』と言うやつですね。
 のんびりイメージトレーニングも出来やしない。半袖サイクルジャージの下レーパンスタイルでは恰好の餌です。長居は禁物。逃げろ~


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 キャンプ場の駐車場へ戻り、最近綺麗に建て直された『馬場島荘』で休憩をとります。
 山菜ソバが大層おいしいと聞いていたので、何か食べようかとも思いましたが、あまり空腹感も無くとりあえずアイスクリームを注文します。
 ちなみにソフトクリームではなく、本当のアイスクリームですが、火照った体にはとてもおいしい。

 馬場島荘は、登山客用の宿泊施設としてのみではなく、こうしてふらりと立ち寄った人間にとっても使い勝手の良い施設へと生まれ変わったようです。


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 アイスクリームを食べ終わって、さあ帰ろうかなと思って山方面を見たところ、今まで雲に覆われて一切その姿を見せなかった荒々しい剱の北方稜線が・・・


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 そして反対側には、先日登った室堂からつながる前剱の姿がハッキリと見てとれました。
 
 馬場島から眺める剱の景色は、アルペンルートを使って立山方面から望む剱の雰囲気とはまるで異なります。全ては剱のためにあるような圧倒的存在感です。


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 早月尾根からのはるか剱岳までの道のり。
 まるで、私のためにその姿の一端を垣間見せてくれたかのようです。
 
 頂上付近は雲に隠されていますが、その正面には巨大な早月尾根の姿が立ちはだかっており、まるでその全ての姿を見たければ自ら登って来いと言われているようでした。
 
 ひと通り感動しながら眺めた後、馬場島を後にします。


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 以下蛇足

 そういえば・・・嫁に『ますの寿司』を作りたいから『熊笹』を取ってこいと言われていたことを思い出し、帰り道の途中で熊笹の群生している場所で適当な枝をむしり取っていきます。

 熊笹は結構人里離れたところに行かないと生えていないので、取ってくるのも面倒なものです。


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 サドルバックにひっかけて、何束か持って帰ります。
 我ながら、なんだこの状態は?と、失笑してしまいそうです。

 後ろから見た車の人なんかは、いったい何事かと思ったものでしょうね・・・

 
それでは今回はこのへんで
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コメント

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『試練と憧れ』

おはようございます。
下見サイクリングということは計画の実行が近いということですね。
それとも、ここから更に熟慮を重ねて計画を練るか、こちらからでも考えると顔がほころんでしまいます。
自分の経験でもないのに、さも体験したかのような文章でその先が読みたくなります。
しかし、相手は『自然』 ケガの無いようになさってください。
楽しい冒険記を

ところで、今度は鱒も釣って帰りましょう...

Re: 『試練と憧れ』

いつもありがとうございます。
色々なサイトや、本等で予習も済ませたのであとは天候次第で決行のつもりです。早く快晴の日が来ないかと待ち遠しいところです。
手作りますの寿司は、本物の鱒はなかなか手に入れにくいので、サーモンで代用して作成した、なんちゃってますの寿司を作るのです。。。しかしこれが結構美味しいのですよ。

失礼いたしました。
「自分の経験でもないのに、さも体験したかのような文章でその先が読みたくなります」
何か誤解を招くような言葉でした、「自分の経験」とは「僕の経験」のことです
写真を、その文章を読むことで目に浮かび体感したかのようになるのです...
いつも自分自身と重ねるように拝読させていただいております。

ぜひ、奥様手製のサーモン寿司もお披露目のほどを

Re: タイトルなし

どういたしまして。
別に謝られるようなことは何もないので気になされないようにしてください。
大丈夫です。ちゃんと言葉のニュアンスは読み取れていますよ~
こちらこそコメントしにくい自己満足の記事にいつも感想をいただき感謝しております。
自分でも自己満足の話だなぁ~と自覚しながら書いていますので(笑)
ますの寿司は、ますだと高いので、サーモンだと、厚みのある身を贅沢に使えるので大変おいしいのです。

OKI

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